韓国の食文化 キーワードで見る食文化
韓国の食文化について、キーワードから読み解いていきます。
食文化の伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ紹介。
韓国料理の奥深さ、味の文化をお伝えします。

スペーサー
4月キーワード 野草(トゥルナムル)
スペーサー
 韓国料理には、季節のさまざまな野草・山菜がよく登場します。特に、緑の芽吹く早春から初夏にかけては、入れ替わり姿をあらわす野草を摘み、それぞれに適った方法で料理されて食卓をにぎわせてくれます。
 野草はとても生命力に富んだ食材で、ビタミンや鉄、カルシウムなどのミネラルが豊富なうえ、すぐれた薬効のあるものも少なくありません。韓国では近年、野草の栽培が増えて、年間を通して手に入るようになりました。
韓国料理でよく使われる春の野草には、次のようなものがあります。
よもぎ:スッ)
のびる(:タルレ)
スペーサー
なずな(:ネンイ)
スペーサー
つるまんねんぐさ(:トルナムル)
餅菓子に入れるほか、てんぷらのように揚げたり、ナムルやスープに。育ちすぎていない、柔らかい幼葉を摘むことがポイント。
のびる:タルレ)
生やゆでて和えものにしたり、衣と混ぜてチヂミに焼いたり、キムチに漬けたりします。
なずな:ネンイ)スペーサー
根の部分に栄養が多いので、根ごとよく洗ってスープや和えものに。
つるまんねんぐさ:トルナムル)スペーサー
生のまま食べることが多く、センチェ(サラダ)や、水キムチにします。
いぬやくしそう:コドゥルペギ)スペーサー
根ごと洗ってキムチや和えものに。独特の強い苦味があります。
せり:ミナリ)スペーサー
生やゆでて和えものにしたり、衣と混ぜてチヂミに。
田ぜり(:トルミナリ)もよく食べます。
いぬやくしそう(:コドゥルペギ)

スペーサー苦味やえぐ味の多い野草を料理するにあたって、韓国料理の独特な調理法がみられます。たとえば、スープにするなら水のかわりに米のとぎ汁を使い、調味料には味噌やにんにくを使うことで、野草のクセを消してまろやかさとうま味を出します。また、ナムルにするなら葱やにんにく、ごま油などの薬味を多めに入れたり、味噌やコチュジャンを使うなど、こってりとした味つけにすることで味のバランスをとります。
スペーサー野草料理は、おいしそうな野草がどこに生えているのか探すことに始まって、摘んできて、きれいに掃除し、何度もよく洗うという下準備の大変さがあります。食べものに手間と労力を惜しまない心意気は、韓国料理全般に流れている脈ともいえるでしょう。




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