キーワードで見る食文化
韓国の食文化について、伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ読み解いていきます。

コプテギ
スペーサー
 韓国にはさまざまな種類の焼肉がありますが、その中でも「コプテギ」(コプテギ空白) と呼ばれる豚皮の焼肉は、ディープな庶民料理として人気を誇っています。空白空白
 本来、韓国語で「コプテギ」というと、卵の殻、貝殻のような硬い「殻」や、中身を覆っている「カバー」のようなものをさします。よく似た言葉に「コプチル」(コプチル)空白があり混同されがちですが、こちらは果物の皮、人や動物の皮膚など柔らかい「皮」をさすのが一般的です。そして、この語彙の分類に従うと、「豚皮」は「テジ コプチル」(テジ コプチル)空白というべきところですが、実際には「テジ コプテギ」(テジ コプテギ)空白、または単に「コプテギ」と呼び習わされています。空白
 さて、そのテジコプテギすなわち豚皮とは、空白日本では食品としてあまりなじみがありませんが、毛をむしったすぐ下の、空白厚さ数ミリほどの表皮部分をさします。見た目は脂や肉と少しちがって半透明で、空白ゼラチン製造の原料となるだけにゼラチン質が豊富です。そして、全身を覆う皮はとても硬いのですが、空白腹の部分は比較的柔らかく美味なため、空白韓国では豚の腹肉=バラ肉で皮のついたものもよく売られています。普通の豚バラ肉「サムギョプサル」(サムギョプサル:三層肉)空白に対して、皮つきの豚バラ肉は「ミバッ サムギョプサル」(ミバッとは未剥すなわち皮を剥いでいない意味)または「オギョプサル」空白(オギョプサル:五層肉)と呼ばれます。空白
 肉食の伝統が浅い日本では、沖縄地方を除いて豚皮を食べる習慣がなかったため、現在でも国産の豚皮は特別なルートでしか入手できませんが、世界的にみると、中国、朝鮮半島、タイ、アメリカ中西部、中南米、ヨーロッパと、豚を食す伝統のある地域であれば、豚皮も庶民の間で食べられてきた歴史があります。ただ、硬く独特な歯ごたえと、味や臭いにくせがあるため、地域によっては食べものとしてのランクづけが低く、貧困と苦難のしみこんだ「ソウルフード」として郷愁を残しているようです。
 
■コプテギの下処理■
 上述のとおり、コプテギは皮そのものと、皮つき肉の二通りに大別されますが、どちらも調理に先立ち念入りな下処理が必要です。
 まずは、残毛の処理。豚皮には抜ききれなかった毛が残っていることがしばしばあるため、剃刀を当てるか、トーチで炙って毛を焼き切ります。残毛の処理が不十分だと、最後まで口の中で不快感が残るため、完全に取り除くことが大切です。
 次に、臭いの除去。流水に晒す、酒や生姜を加えた水でよくゆでる、表面の不純物をこそげとる、塩をまぶしてもむ、小麦粉をまぶしてもむ、何度も水をとりかえて洗う、など。
 また、薬味香辛料に漬け込む方法もよくとられます。にんにくや唐辛子、生姜、胡椒など薬味をきかせた焼肉のタレに漬け込んだり、玉ねぎのすりおろし、月桂樹の葉などを使うこともあります。
コプテギ
 
■コプテギ焼き■
 こうして下処理された豚皮の、空白もっともポピュラーな食べ方がコプテギクイコプテギクイ :豚皮焼き)、いわゆる「コプテギ」です。空白
 「テジカルビ」(テジカルビ)空白などと呼ばれる豚焼肉専門店へ行くと、必ずといってよいほどメニューに入っている「コプテギ」。ここでは、空白まず豚バラ肉(サムギョプサル:サムギョプサル)や豚首ロース(モクサル:モクサル)などの正肉を塩焼き、空白またはタレ焼きで食べた後、おもむろにコプテギを焼くのが一般的な流れです。空白
 コプテギは20〜30p角ほどの大きなものが、イカのように、時には検印のインクも鮮やかに、一枚ぺろんと出てくることがあります。その場合は、網の上で裏返しながら両面じっくり焼いていると、透明度が増してぷるぷるした質感になってきます。表面に少し焼き色がついたころ、食用バサミで一口大に切り分け、さらに裏返しながらカリッとするまで焼いたら、えごまの葉に一切れのせ、塩や薬味味噌、白髪ねぎの薬味和えやキムチなども一緒に包んでいただきます。少し意外な感じがするかもしれませんが、きなこをつけるのも好まれています。
コプテギ
 
■コプテギ焼き■
 豚皮は独特な風味と食感で好き嫌いの分かれる食べものだけに、揚げたり焼いたりしてカリッと仕上げたり、薬味をきかせるなど上手に調理することがポイントになります。
 韓国では、前述のような直火焼きで食べるのが圧倒的に多いですが、ほかにもさまざまな調理法で食べられています。
 
・テジコプテギ ポックム(テジコプテギ ポックム):豚皮の炒めもの。
下ゆでして切った豚皮を、コチュジャン、にんにく、生姜、唐辛子、胡椒などの薬味香辛料をきかせた甘辛いタレで炒めます。葱、玉ねぎ、にんじんなどの野菜と一緒に炒めることもあります。
 
・テジコプテギ チョリム(テジコプテギ チョリム):豚皮の煮もの。
下ゆでして切った豚皮を、薬味を加えたしょうゆベースやコチュジャンベースの味つけで煮込みます。炒めものとやや似ていますが、ゼラチン質がとけてトロリと柔らかい仕上がりになります。
 
・テジコプテギ ムッチム(テジコプテギ ムッチム):豚皮の和えもの。
下ゆでした豚皮を細切りにし、細切りの生野菜(きゅうり、玉ねぎ、にんじん、えごまの葉など)と一緒にチョコチュジャン(とうがらし酢味噌)で和えます。
 
・テジコプテギ ピョニュッ(テジコプテギ ピョニュッ):豚皮の煮こごり。
下ゆでして細切りにした豚皮をスープで煮て塩、酒、生姜、胡椒、しょうゆなどで味をととのえ、型に流し込んで冷やし固めます。刻んだ野菜(葱、青・赤唐辛子、きのこなど)や錦糸卵を混ぜ込むと、見た目も華やかで、味わいのある仕上がりになります。食べるときに、型から出して一口大の薄切りにします。


キーワードのバックナンバー一覧
2012年以前のバックナンバーの一覧が掲示されています。
ナビゲーションバー下
サイトマップ
プライバシーポリシー
著作権について
コピーライト
モランボンロゴ