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韓国の食文化について、伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ読み解いていきます。
韓国の漬物といえばキムチ(
)
があまりにも有名ですが、
キムチ以外にも韓国の伝統的な漬物にチャンアチ(
)があります。
チャンアチは野菜の醤油漬け・味噌漬け・コチュジャン漬け・酢漬けのことで、実際にはそれらの調味料を混ぜ合わせて漬けられたものが多くあります。キムチのように発酵させることはなく、漬けた後数日おきに漬け汁を沸騰させては冷まして戻すなど、菌の繁殖を防ぐ工程も含まれます。
チャンアチは味の濃い地味なおかずとして、
ミッパンチャン(
)と呼ばれる、
韓国の基本的な副菜の筆頭に挙げられます。漬けていた容器からチャンアチを取り出して器に盛りつけ、そのまま食べることもありますが、
小さく刻んで粉唐辛子、コチュジャン、すりごま、ごま油などで和え直してから食卓に上ることも多くあります。
またその際、いくつかのチャンアチを取り合わせて和えることもあります。
古くから、旬に獲れたたくさんの野菜を漬けて保存しておき、食べるときにその都度味をつけて、和えたてのおかずとして小鉢の一品に仕上げる知恵が、チャンアチの中に生きているようです。
■ さまざまなチャンアチ
・青唐辛子の酢醤油漬け(コチュ チャンアチ:
)
生の青唐辛子に竹串で刺して穴をあけ、醤油、酢、砂糖、水を煮立たせた汁に漬け込みます。色が褐変して味が染み始めたら食べられ、上手に保存すれば1ヶ月後でも味わい深く食べられます。
・にんにくの茎の酢醤油漬け(マヌルチョン チャンアチ;
)
にんにくの茎を数センチに切り、醤油、酢、砂糖、水を煮立たせた汁に漬け込みます。生の唐辛子を一緒に煮て汁に辛味をつける場合もあります。浮き上がらないように皿などで重しをし、様子をみて汁を煮立たせて戻すなどします。色が褐変して味が染みた頃が食べ頃です。
・大根の酢醤油漬け(ムチャンアチ:
)
大根を厚切りまたは薄切り、棒切りなどにし、醤油、酢、砂糖、酒、水を合わせて煮立たせた汁に漬け込みます。あるいは、先に大根に砂糖をまぶして水気を出した後、漬け汁に漬け込むこともあります。大きく切って漬けた場合は、食べるときに細切りにして薬味調味料で和え直します。
・ケンニプチャンアチ(えごまの葉の醤油漬け:
)
えごまの葉を洗って水を切り、醤油に粉唐辛子やおろしにんにく、ごまなどを混ぜた薬味醤油、あるいは醤油と酢、砂糖を混ぜ合わせた酢醤油を作り、えごまの葉数枚ずつごとにタレをかけて積み重ねて漬け込みます。魚醤や梅シロップ、オリゴ糖、刻んだ葱や生唐辛子を入れることもあります。
・マヌルチャンアチ(にんにくの甘酢漬け:
)
にんにくをきれいに剥き、甘酢もしくは酢醤油を作って漬け込みます。にんにく独特の辛味を抜くために、サイダーを加えることもあります。
・オイチャンアチ(きゅうりの酢醤油漬け:
)
厚めの輪切りにしたきゅうりを、甘酢醤油に漬け込みます。きゅうりは皮を剥くこともあります。もうひとつの方法としては、きゅうりを丸ごと塩水あるいは酢醤油に漬けて保存しておき、食べるときに薄切りにして薬味調味料で和えます。
・カジチャンアチ(茄子の酢醤油漬け:
)
茄子を何等分かに細長く切り、醤油・砂糖・酢・水を煮立たせた汁に漬け込みます。また、茄子の中ほどに切り込みを入れて薬味を挟み込んでから漬け汁に漬け込む方法や、茄子を塩でしんなりさせてから漬け込んだり、茄子を下茹でして冷水にとり、水気を絞ってから漬け込む方法もあります。
・ヨジュチャンアチ(ゴーヤの酢醤油漬け:
)
縦半分に切って種とワタを掻き出したゴーヤを、スライスして薄塩でしんなりさせ水気を絞り、酢醤油などの漬け汁を沸騰させたものに浸けて保存します。途中で、漬け汁を沸騰させて冷ましてから戻すことを繰り返すと、長期保存できます。
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