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韓国の食文化について、伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ読み解いていきます。
ソウル特別市の北に隣接する京畿道議政府[キョンギウィジョンブ]市は、朝鮮戦争(1951〜1953)を経て在韓米軍や韓国軍の部隊が多く駐屯し、基地とともに栄えてきた軍事都市という歴史があります。ソウル地下鉄や議政府軽電鉄の開通にともない、高層マンションの林立するベッドタウンとして再開発が著しい議政府は、一方で在来市場や旧市街地もにぎわいがあり、新旧混在する町として現在に至ります。
プデチゲ(
)といえば、
今や日本でもそこそこ名の知れた韓国料理となりましたが、プデチゲのルーツは、
朝鮮戦争後の議政府に遡ることができます。朝鮮半島は1945年に日本統治から解放された後も、国の分断と国内情勢の混乱による食糧難が長く続きました。
そんな中、議政府の米軍部隊から放出されたハム、ソーセージ、スパムなどの畜肉加工品を使って、
近隣の食堂の女主人が身近にあるキムチとともに鍋料理に仕立てたのが、まさにプデチゲの発祥と言われます。
プデ(
)とは部隊を、
チゲ(
)は鍋ものをさします。
米軍放出品の入手や流用が不法行為として禁止されていた当時、プデチゲは闇料理としての暗い一面を持っていましたが、その独特な美味しさから、一帯ではこの料理を作る店が次第に増えていきました。また、正当な方法で畜肉加工品が流通するようになったという時代の変化もありました。
1980年代になると、在来市場である「議政府第一市場」周辺には30店ほどのプデチゲ専門店が軒を連ねるようになり、
「議政府プデチゲ横丁」(
:ウィジョンブ プデチゲ コルモッ)と呼ばれるようになりました。
その後、2002年から連載が始まった許英萬[ホヨンマン]作のマンガ『食客』に議政府のプデチゲが登場したことをきっかけに、
この横丁は一躍有名になり、
2021年には韓国文化体育観光部および韓国観光公社から、観光テーマ横丁に指定されました。
プデチゲは、アメリカの食材と韓国式調理法が出会って生まれた、いわゆるフュージョン料理の先駆けといえます。
■ プデチゲの作り方(一般的なもの)
@ヤンニョムジャン(合わせ調味料)を作る
コチュジャン、醤油、粉唐辛子、おろしにんにく、酒、砂糖、魚醤、胡椒などを混ぜ合わせる。
A材料の下ごしらえ
白菜キムチはよく漬かったものを選び、一口大に切る。長葱、玉葱はスライスし、きのこは一口大に切り分ける。ハム、ソーセージ、スパム、ベーコンなどの畜肉加工品も一口大に切る。豚ひき肉は塩、こしょう、酒、コチュジャン、おろしにんにくなどで下味をつける。トックッの餅は、くっついていれば1枚ずつはがす。タンミョン(韓国式春雨)は水に浸しておく。
B煮る
大きめの浅鍋にAの材料(餅とタンミョン以外)を並べ入れ、ダシ汁(牛骨スープ、豚骨スープ、煮干しダシなど)をひたひたまで注ぎ、@のヤンニョムジャンをたっぷりのせて火にかける。沸騰したらヤンニョムジャンを溶いてしばらく煮る。全体がなじんできたら味をみて、ヤンニョムジャンや塩で味を調え、餅とタンミョンを入れる。仕上げにチーズをのせてもよい。
Cいただく
火を弱め、小鉢に取っていただく。具をひとしきり食べたら、水またはダシ汁を足して火を強め、ラミョンサリ(インスタントラーメンの乾麺)を入れる。麺がほぐれてほどよく煮えたらいただく。各具材とヤンニョムジャンの味がしみたラーメンは、ジャンキーで後をひく味。
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