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韓国の食文化について、伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ読み解いていきます。
正確な発祥時期はわかっていませんが、
1990年代ごろから韓国の街角でよく見かけるようになったラッポッキ(
)
:ラーメン炒め)。安価で手軽に作れるフュージョン料理として庶民の人気を集め、今や国民的ファストフード、さらにはコリアン・ソウルフードとまで言われるようになりました。
ラポッキのラはラミョン(
):ラーメン)のラ、ポッキ(
))は炒めものを意味します。
もとより、
1950年代ごろ生まれて一躍屋台料理のトップに躍り出たトッポッキ(
):棒餅の甘辛炒め)と、
これまた庶民の軽食、ラミョンすなわちインスタントラーメンを掛け合わせた、いわば人気二乗の生誕歴を持つファストフードこそがラポッキなのです。
■
ラポッキの作り方(一般的なもの)
@具材の下準備
玉葱、にんにくは薄切りに、長葱は斜め切りに、さつま揚げ(韓国製の薄いもの)は短冊切りなどにします。トッポッキ用の棒餅やウインナーはそのまま、あるいは斜め切りにします。にんじん、キャベツ、ニラなどを入れる場合は、それぞれ火が通りやすいように切ります。茹で卵を入れる場合は、卵を茹でて殻をむいておきます。
A鍋で炒め煮
フライパンなど平たい鍋に油をひき、にんにく、玉葱、にんじん、キャベツ、ウインナー、さつま揚げなどの具材を炒めた後、1カップほどの水とラーメンの添付スープ、コチュジャン、粉唐辛子、砂糖などを加えて煮ます。具材を炒めずに、調味料を煮立たせた鍋にそのまま具を入れて煮ることもあります。また添付スープを使わない場合は、粉末ダシやスープのもと、しょうゆ、コチュジャン、粉唐辛子、砂糖、オリゴ糖、胡椒、おろしにんにくなどを配合します。
B餅や麺を入れる
具材に火が通ってなじんできたら、トッポッキ用の棒餅と茹で卵を入れ、餅が軟らかくなって卵に味がしみ込むまでしばらく煮絡めます。途中、汁が少し煮詰まってきたらラーメンの麺、長葱なども入れて麺をほぐしながら煮ます。
C仕上げ
麺のコシと汁の煮詰まり具合をみて、
ほどよいタイミングで火から下ろし、ごま、みじん葱などをふります。器によそい直したり、卵を半分に切って盛りつけてもよいでしょう。
また、火から下ろす直前にチーズ(スライスチーズ・シュレッドチーズなど)をのせて、チージュラポッキ(
))にすることもできます。
■
ラポッキの魅力
トッポッキの一形態として始まったラポッキは、
その独特な後を引く美味しさから、さまざまな具と味のヴァリエーションで瞬く間に人気の食べ物となりました。屋台料理として、
またプンシッチョム(
):粉食店)
と呼ばれる軽食ファストフード店の定番メニューとして、あるいはお酒のおつまみに、子どものおやつに、受験生の夜食に…
と驚くべき汎用性を持つ軽食として、ラポッキは確固たる位置を築いてきました。
ラポッキ身近な材料で手軽に作れるファストフードであると同時に、ソースの配合や具材をひと工夫すれば、自分好みの料理に仕上げて楽しむこともできます。
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