キーワードで見る食文化
韓国の食文化について、伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ読み解いていきます。
スペーサー
タッカンマリ
 韓国では牛豚と並んで、安価で美味しい鶏肉が非常によく食べられていることはたびたび言及してきましたが、空白そんな鶏肉の人気料理のひとつに、タッカンマリ(タッカンマリ)があります。空白タッカンマリは直訳すると「鶏一羽」。空白鶏を意味するタッ(タッ)、一羽を意味するハンマリ(ハンマリ)が組み合わさってできた料理名です。 空白
 昨今の飲食店で提供されているタッカンマリは、空白鶏を一羽丸ごとあるいはぶつ切りにして茹でたものと、じゃがいもなどの野菜、鶏スープの入った鍋を卓上で火にかけ、ほどよく煮えたところを小鉢に取って食べる料理です。空白さまざまな部位の骨つき鶏肉から煮出された透明なスープは旨味がたっぷりで、そのスープで煮た野菜も味わい深いものがあります。空白アルミあるいはステンレス製の独特な盥[たらい]型鍋で煮ることが多く、その様子は日本の「水炊き」とやや似ていますが、空白ヤンニョムジャン(ヤンニョムジャン)あるいはタデギ(タデギ)と呼ばれる薬味だれに鶏や野菜をつけて食べたり、空白鍋全体にヤンニョムジャンを溶き入れて赤く仕上げることもあり、最後の味つけがまさに韓国テイストです。空白
 タッカンマリと似た韓国料理に、サムゲタン(サムゲタン:蔘鶏湯)空白あるいはタッペッスッ(タッペッスッ:鶏白熟)と呼ばれる伝統料理がありますが、こちらは丸鶏の腹にもち米を詰め漢方薬材を効かせて濃厚に煮込んだ、空白「補身飲食」(ポシン ウムシッ:ポシン ウムシッ)すなわち滋養食の代表ともいえる料理で、それと比べるとタッカンマリはもう少し身近で新しい料理といえます。空白
 一説によると、タッカンマリは1970年代にソウル・東大門市場[トンデムンシジャン]の路地裏で生まれた、極めて庶民的な食べ物であったと言われます。安価な鶏を丸のまま、あるいはぶつ切りにして水で煮たタッカンマリは、調理に手間がかからず原価も低く、懐の寂しい人でも酒の肴に美味しく食べられる貴重な肉鍋であったようです。当時は、近隣の市場従事者や会社員のみぞ知るマイナーな料理だったようですが、次第にソウルが誇る路地裏名物料理となって脚光を浴びるようになりました。
 現在では、空白蔘鶏湯と並ぶ夏バテ予防の補身料理として、韓国では一年中で最も暑いとされる三伏(サムボッ:サムボッ)の期間中に特に話題を呼んでいます。空白ちなみに、2023年の三伏は陽暦7月11日〜8月10日です。空白
 空白今も東大門市場の中に「タッカンマリ横丁」(タッカンマリ コルモッ:タッカンマリ コルモッ)があり、タッカンマリ専門店が軒を連ねています。空白
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タッカンマリ
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■ タッカンマリの作り方(一般的な方法)
@ 鶏の下煮
部位ごとにざっと捌いた鶏を深めの鍋に入れ、浸るほどの水を注いで強火にかけます。すでに捌かれた手羽元・手羽先などを使ったり、丸鶏をそのまま使うこともあります。沸騰したらアクをとって火を弱め、生姜の薄切り、長葱、粒胡椒を入れて肉が八割がた柔らかくなるまで煮ます。酒や玉葱を入れて煮ることもあります。
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A ヤンニョムジャン作り
粉唐辛子、おろしにんにく、醤油、すりごま、エッチョッ(エッチョッ:魚醤)などを混ぜ合わせて、ヤンヨムジャンまたはタデギと呼ばれるタレを作ります。葱やにら、青唐辛子などをみじん切りにして加えることもあります。
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B 野菜の下ごしらえ
じゃがいもは皮をむいて輪切りにします。長葱は数センチに切ってから縦に切り、にらも数センチに切ります。生唐辛子(青・赤)を入れる場合は斜め薄切りなどにします。きのこを入れることもあります。
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C 仕上げ
人数に見合った大きさの鍋に@の鶏肉とBの野菜を盛り、おろしにんにく、塩、胡椒をふって@のスープをかけ、火にかけます。沸騰後しばらく煮てじゃがいもに火が通ったら、小皿に入れたヤンニョムジャンに鶏や野菜をつけて食べたり、スープごと小鉢によそって食べます。鍋全体にヤンニョムジャンを溶き入れて調味することもあります。
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D 麺類を入れる
具を食べたところで、空白タンミョン(韓国春雨)やカルグクス(カルグクス:韓国うどん)、空白ラミョンサリ(ラミョンサリ:ラーメンの麺)、トッ(韓国餅)などを入れて、スープで煮て食べることも多くあります空白。最初からカルグクスを入れて仕上げた「タッカンマリ カルグクス」(タッカンマリ カルグクス)というメニューを出す店舗もあります。空白
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※ひとしきり食べた後、空白さらに残ったスープにご飯と海苔、卵、みじん葱などを入れて炒め、締めのポックムパプ(ポックムパプ:炒飯)を楽しむこともできます。空白
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タッカンマリ
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