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韓国の食文化について、伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ読み解いていきます。
医食同源を尊ぶ韓国の食文化の中でも、とりわけ滋養豊かな食べ物として、
「補陽食」(
:ポヤンシッ)あるいは「補身飲食」(
:ポシンウムシッ)と呼ばれるジャンルがあります。
代表的な補養食には、サムゲタン(
・蔘鶏湯:高麗人蔘やもち米入りの丸鶏スープ)、ケジャングッ(
:狗肉と野菜の辛味スープ)、ユッケジャン(
:牛肉と野菜の辛味スープ)、タッケジャン(
:鶏と野菜の辛味スープ)、チュオタン(
・鰍魚湯:どじょうと野菜のスープ)などがあります。
これらは猛暑の時期の夏バテ予防に、また季節を問わず体力が落ちたときの健康回復のために、
あるいは産後の女性の養生として、韓国では何かと目にする身近な料理です。
それらの中でも、牛肉と様々な野菜を煮込んだユッケジャンは、真っ赤な色と後をひく旨辛スープが特徴的で、日本でもかなり知名度の高い韓国料理に挙げられます。そして牛肉ではなく鶏肉で作ったものがタッケジャン、狗肉で作ったものがケジャングッです。ユッケジャンのルーツはケジャングッであったと言われています。
■
ユッケジャンの作り方(一般的な方法)
@牛肉の下ごしらえ
牛肉は赤身のブロックの場合、繊維に直角に棒切りにします。切り落とし肉の場合は、一口大に切ります。
A野菜の下ごしらえ
野菜は大根、長葱、わらび、乾燥ずいき(芋がら)、きのこ(生椎茸、平茸、しめじ、エリンギなど)、もやしなどがよく使われます。大根は一口大の薄切りに、長葱は5〜6cmのざく切りに、乾燥のわらびやずいきは水で戻して適当な長さに切ります。きのこは薄切りもしくは小房に分けます。にら、豆もやし、青唐辛子、にんじん、エホバッ(韓国かぼちゃ)などを入れることもあります。
B炒めて煮込む
鍋にごま油をひいて@の肉を炒め、火が通ったらAの大根、
わらび、ずいきなども順次入れて一緒に炒めます。途中で胡椒や唐辛子粉(粗挽きなど)も加えて炒め、v全体がなじんだら水またはスープを注ぎます。煮立ったら火を弱め、
肉の硬さに応じて15分〜1時間ほど煮込みます。
煮込んでいる途中で、おろしにんにく、醤油、コチュジャン、魚醤などの調味料を加えます。唐辛子粉を油で炒めた「コチュギルム」(
:唐辛子油)を加えることもあります。後半でAのきのこ、もやし、エホバッ、長葱なども加えます。
C仕上げ
ほどよく煮込まれて全体がとろりとしてきたら、味をみて塩で味を調え、器によそいます。よそう直前に、とき卵を加えることもあります。
※
以上は近年好まれている、比較的手軽なユッケジャンの作り方です。一方で、牛スネ肉のかたまりを柔らかくなるまで1時間ほど茹でて細く裂き、他の野菜とともにコチュギルムや醤油、おろしにんにくなどで和えておき、茹で汁の入った鍋に戻して煮込むという伝統的な調理法もあります。
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