キーワードで見る食文化
韓国の食文化について、伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ読み解いていきます。
スペーサー
タシッ
 韓国の伝統菓子のひとつに、タシッ(タシッ空白)という、穀物の粉や花粉を練り固めた素朴なお菓子があります。空白主材料の粉に蜂蜜や水飴を加えて固くこね、小さな木型に押し固めて作るもので、主材料の粉を何にするかによっていくつかの種類があります。空白
 イメージ的には日本の落雁[らくがん]とやや似ていますが、落雁よりも大振りで柔らかく、素材のヴァリエーションによってさまざまな風味と色合いを楽しむことができます。「韓菓」(ハングァ:ハングァ)すなわち韓国伝統菓子の全般に共通する現象ですが、昔ながらの作り方を踏襲しつつも、彩や風味のよい天然食材を新たに取り入れて変化をつけ、デザイン性の高い洗練された商品を次々と生み出しているのが昨今の特徴です。
 タシッは漢字で「茶食」と書くことからもわかるように、空白もともと「茶」と関係の深い食べものでした。李氏朝鮮王朝時代(1392〜1897)後期の実学者、イイク空白[イイク]により編纂された問答集『ソンホサソル [ソンホサソル]』に、空白「茶は元来、湯に煎じて飲んでいたものを、宋代では蒸した茶葉を模様つきの型に詰めて高圧で押し固めた空白"茶餅"にして乾燥させておき、祭祀の際にはこれを粉にして碗に入れ、空白熱湯を注ぎ竹筅で撹拌して飲むようになった。これが点茶である。そのうち、空白次第に茶葉の代わりに穀物を蜂蜜でこね、"茶餅"のように型で押し固めたものが祭祀で使われるようになった。空白名前だけ"茶食"が残り、実物は変わった」という記載があり、空白タシッの由来を示す貴重な文献とされています。儒教が尊ばれ仏教が排された李氏朝鮮王朝時代に、空白仏教と関わりの深い「茶」が退けられて、茶葉に代わる材料で「茶食」が作られるようになった時代背景が察せられます。空白
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■ タシッのいろいろ
 伝統的なタシッとしては、粉の種類によって次のようなものがあります。それぞれの粉に蜂蜜や水飴を加えてこね、専用の型に詰めて押し固めます。
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サル タシッ (サル タシッ):米のタシッ。
  米またはもち米を蒸してから乾燥させ、炒って粉に挽いたものを使います。
コン タシッ (コン タシッ):大豆のタシッ。
  大豆を炒って皮をむき、粉に挽いたもの(きなこ)を使います。
ソンファ タシッ (ソンファ タシッ):松花粉のタシッ。
  春、松の花が咲いたら花粉をとって乾燥させておき、使います。
ケ タシッ (ケ タシッ):ごまのタシッ。
  ごまを炒って油が出るほど念入りにすりつぶしたものを使います。空白黒ごま(コムンケ :コムンケ、あるいはフギムジャ:フギムジャ)、白ごま (ヒンケ:ヒンケ)ともに使います。空白
パム タシッ (パム タシッ):栗のタシッ。
  栗を茹でて薄皮まで取り除き、すりつぶして使います。シナモンを加えることもあります。
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 これ以外にも近年では黒米、えごま、はとむぎ、緑豆、抹茶、アーモンド、麦の芽などさまざまな材料のパウダーを使った、バラエティ豊かなタシッが見られるようになりました。色やクセの強い材料を使う場合は、でんぷん質の高い他の穀粉とうまくブレンドすることによって、色調や食感を調整することができます。また、五味子の浸け汁を練りこんで鮮やかな赤色と爽やかな風味を演出したり、刻んだドライフルーツやナッツを加えたり、模様の部分だけ別のタシッ生地を使ってアクセントをつけるなど、さまざまな工夫が凝らされています。
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■ タシッパン
 タシッを作るのに重要なのが、タシッパン(タシッパン空白:茶食板)と呼ばれる木型です。タシッパンは、2本の板がセットになったものと、空白1枚だけのものがあり、どちらも幅5〜6cm、厚さ2〜3cm、長さ30〜60cmくらいの大きさが一般的です。空白
 2枚セットの場合、下板には模様が浮彫にされた丸い凸部分が数個ついており、上板にはその凸部分に対応する場所に丸い穴があいています。使い方は、まず下板を置いて両端のツメを立たせ、その上に上板をのせます。穴にタシッ生地を隙間なく詰め、上から押して生地にしっかりと模様をつけた後、両端のツメを寝かせて上板を押し下げると、下板の凸部分に押し上げられるようにしてタシッが出てきます。
 一方、1枚だけのタシッパンは、タシッの形のくぼみが彫られた単純なつくりになっており、くぼみの底に模様が刻まれています。こちらの場合は、タシッ生地をくぼみに詰めるときにラップフィルムなどを敷くと、タシッが取り出しやすくなります。
 どちらの場合も、板に彫刻されている模様としては、菊花、三つ巴、幾何学模様などが一般的で、ほかに「壽」「福」「茶」「寧」などの漢字がデザインされているものもあります。
 タシッパンに生地を詰めるときは、生地の量を少し多めにして隙間なくしっかり押し詰めることが、きれいな模様に仕上げるポイントです。模様がつくのは下の面だけなので、取り出したタシッを裏返して模様の面が見えるように並べます。
 最近では、タシッパンに限らずさまざまな抜型やスタンプ状の器具を使って、従来のイメージを超える独創的なタシッが自由に作られているのも、また興味深いことと言えましょう。
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