キーワードで見る食文化
韓国の食文化について、伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ読み解いていきます。
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チュソッ(秋夕)
 中秋(仲秋)とは陰暦8月15日のことで、日本ではこの満月の夜、ススキやお団子を供えてお月見する「中秋の名月」で知られています。
 朝鮮半島ではこの日を「チュソッ」(チュソ空白:秋夕)あるいは「ハンガウィ」(ハンガウィ)、「チュンチュ」(チュンチュ:中秋)と呼んで、正月と並び称される二大名節[ミョンジョル](年中行事)にあたります。空白韓国では現在、チュソッを挟む前後3日間が公休日となっており、空白親族が集まって先祖の墓参りや祭祀の儀式をとり行うとともに、その年の豊穣を祝います。空白
 2018年のチュソッは9月24日でした。
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クックヮジョン
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■チュソッの準備
 チュソッが近づいてくると、まずしなければならないのが「ポルチョ」(伐草)と呼ばれるお墓の草取りです。現在の韓国では火葬が主流ですが、1990年代までは土葬中心だったため、広範囲にわたる墓地の雑草を抜いてきれいなお墓でチュソッを迎えることが、子孫の重要かつ大変な勤めでした。お墓が遠かったりあちこちに点在する場合もあり、草取り作業は夏の終わりごろから少しずつ幾度にもわたって行われるようです。
 次に、贈り物の用意も一大事です。お正月前もそうですが、チュソッ前になると韓国では両親や親戚、お世話になっている人、お得意さん、友人知人などさまざまな人間関係における贈り物のやりとりが見られ、街中では賑やかな贈り物商戦が繰り広げられます。近年の人気商品は、韓国産牛肉、イシモチの塩干物などの高級食材から、高麗人蔘ドリンク、健康食品、酒、茶、そして化粧品、革製品などと続きますが、何といっても歴代のトップは現金・商品券というところが、興味深くもあります。
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■チュソッの食べもの
 チュソッでは、収穫したばかりの米や雑穀で作ったものを中心に、さまざまな食べもの、飲みものが用意されます。子どもや孫が帰省してくる本家では、何日も前からたくさんの祭祀の供物や料理の準備に追われます。
 チュソッの代表的な飲食物には、次のようなものがあります。
・ソンピョン(ソンピョン:松片)
  独特な形にし、松葉を敷いた蒸し器で蒸し上げて作ります。生地は白いものと、よもぎを練り込んだ緑色が定番でしたが、最近ではさまざまな色のソンピョンが作られています。
・チョン(チョン:煎)
 

卵のつけ焼き。鱈、海老、きのこ、朝鮮かぼちゃ、蓮根などの材料を平らに切りそろえ、小麦粉と卵をつけて油で両面を焼いて作ります。たくさん作ってきれいに盛りつけ、酢醤油または薬味醤油につけていただきます。
チョン

・サンジョッ(サンジョッ:散炙)
  串焼き。空白切りそろえた牛肉や葱、キムチ、蟹かまぼこなどを短めの串に刺し、チョン同様に小麦粉と卵をつけて焼きます。串のチョンという意味で、コチジョン(コチジョン)とも呼ばれます。空白
・トランタン(トランタン:土卵湯)
  里芋スープ。トランクッ(トランクッ)とも呼ばれます。里芋を中心に大根、きのこ、昆布なども加え、澄んだ牛スープで煮て塩と薄口醤油でやさしい味に仕上げます。
・チャプチェ(チャプチェ:雑菜)
  春雨と野菜の炒め和え。細切りにした牛肉やにんじん、きのこ、玉葱、筍、ほうれん草などの野菜を別々に炒めて下味をつけ、もどして甘辛く味つけした春雨とともに和えて仕上げます。
チャプチェ
・カルビチム(カルビチム)
  牛カルビの煮込み。骨つき牛バラ肉のかたまりをじっくりと煮込み、にんじんや玉ねぎ、きのこ、ピーマンなどの野菜も加えて甘辛く煮上げます。伝統的なごちそう料理の定番です。
マッコルリ
・サムセッナムル(サムセッナムル)
  三色ナムル。白、緑、茶色など三種の野菜の和え物の盛り合わせ。白は桔梗の根、大豆もやし、もやし、大根など。緑はほうれん草、小松菜など。茶色はわらび、ぜんまいなど。それぞれの材料を茹でたり炒めたり煮つけたりして仕上げます。味つけには塩、おろしにんにく、しょうゆ、ごま、ごま油などが使われます。
・ユグァ(ユグァ:油菓)
  伝統的な揚げ菓子。もち米粉または米粉、小麦粉に蜂蜜を加えてこね、細長い俵形にして油で揚げてから水飴をぬり、揚げた穀片やごま、砕いたナッツなどをまぶして作ります。
・シッケ(シッケ:食?)
  韓国式甘酒。ご飯に麦芽汁を注ぎ数時間おいて発酵させた、ほんのり甘い飲み物。ご飯粒も一緒に冷たく冷やして松の実を浮かべ、好みで生姜汁を加えていただきます。
・マッコルリ(マッコルリ)
  .どぶろく。空白トンドンジュ (トンドンジュ)、タッペギ(タッペギ:濁白)とも呼ばれます。米を麹で発酵させた低アルコールの濁り酒。空白
マッコルリ
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■伝統行事観の変化
 名節(ミョンジョル:ミョンジョル空白)と呼ばれる、こうした韓国の伝統行事は、近代化する韓国においてその価値が再認識される一方で、空白「女性が家事をするもの」という根強い性別役割意識の上でこそ成り立っており、そのような偏った男女観を疑問視する世論が近年、空白韓国内で高まってきているのも事実です。平たく言えば、「なぜ行事のたびに男はテレビの前のソファーに座り、空白女は台所で必死に働かなければならないのか」という声です。空白
 そして、マスコミ報道やインターネットサイトを中心に議論がヒートアップするにつれ、ここ1〜2年は9月になると韓国政府から「家族が協力して平等なチュソッを」と呼びかけるキャンペーンが出されるに至りました。キャンペーン内容も次第に具体化しており、今年は「一緒にチヂミ作りや食事のしたくをします。行事準備に頑張った家族の手を握り"ありがとう"の気持ちを表現します。家族が力を合わせて家事を終わらせ、一緒に休みます」と、実践を約束する例まで示されています。
 一見、大げさな物言いに聞こえるかもしれませんが、それだけ大変な作業がこれまで家の中の女性たちの無言の重労働によって支えられてきたことを反証するものとも言えましょう。


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