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韓国の食文化について、伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ読み解いていきます。
2月14日が「バレンタインデー」として女性から男性へチョコレートを贈る習慣が根づいてしばらくすると、その1ヶ月後の3月14日に男性から女性へお返しを贈る「ホワイトデー」が生まれました。
ホワイトデーは、バレンタインデー同様、日本の菓子業界による着想とキャンペーンによって、1970年代に日本国内で誕生し普及していった歴史がありますが、最初の仕掛人としては複数の製菓会社が「元祖」の名乗りを上げており、諸説あるようです。当初はビスケットやマシュマロ、キャンディなどを個々に「お返し」として贈っていたのが、1973年に大手菓子メーカーから3月14日にマシュマロを贈るというキャンペーンが打ち出され、その後1980年代に入って百貨店側からの提案で「ホワイトデー」という名称が生まれると、幅広い年齢層に記念日として認識されるようになりました。
贈り物は、前述の菓子類に加えてクッキー、ホワイトチョコ、ケーキ、フルーツ、紅茶、そしてハンカチ、アクセサリー、花束、入浴剤、美容用品、香水、財布、腕時計、手袋などに至るまで、時代とともに品物も金額も非常に多岐にわたるようになりました。さらに、品物以外で近年人気を博しているのが「アクティビティ体験チケット」、すなわちスパ、エステ、遊園地、クルージング、サファリパークなど、好きなアクティビティをペアで体験できるというものです。
一方、韓国のホワイトデー事情を見てみると、日本同様、女性の意識や要求の向上にともない贈り物にも幅が出てきているようです。
あるアンケートによると、20〜30代の韓国女性がホワイトデーに欲しいもののランキングは、1位アクセサリー、2位スマホ・タブレット、3位公演チケット、そしてカバン、香水… などと続くそうです。
これを見る限り、
金額の張るガチな商品が韓国女性から望まれていることがわかりますが、
実際にホワイトデーを控えた韓国の街角で目立つのは「サタン・パグニ」(
)。
「お菓子の籠」という意味のこの商品は、お菓子やぬいぐるみを大型のバスケットに豪華に詰め合わせたもので、
デパートやスーパー、コンビニでは、よく白やピンクの風船アーチの下にこのバスケットが華やかに陳列されています。
そして一般的な韓国男性は、彼女に何を贈るかさんざん悩んだ末に、
最後の砦であるこのバスケットを買っていく人が多いというのが実情のようです。
また、バレンタインデー同様、ホワイトデーに素敵なディナーというのも、韓国のカップルが憧れるスタイルのようです。人気メニューは、やはりステーキやイタリアンなどの洋食。そして魚のフリッターやクリームパスタ、チーズ、ポテト、白色のデザートなど、所々にホワイトが意識されているのが、バレンタインデーと若干ちがうところでしょうか。
豊かな感情をしっかり表現する韓国の国民性ゆえか、バレンタインデー、ホワイトデーとも大いに盛り上がる一大イベントとなっているようです。
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