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キーワードで見る食文化
韓国の食文化について、伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ読み解いていきます。

キムチ冷蔵庫
スペーサー
 キムチをうまく発酵・保存するために韓国で開発された「キムチ冷蔵庫」空白(キムチネンジャンゴ:キムチネンジャンゴ)。空白韓国のみならず日本でも数年前から本格的に発売され、需要は拡大しつつあります。空白
 
■キムチ冷蔵庫の特長■
 現在の韓国では、空白花嫁道具のひとつに欠かせないほど普及したキムチ冷蔵庫ですが、その歴史は意外に新しく、空白1995年韓国の電機メーカーであるWinia Mando(現在の大有(テユ)ウィニア)が4年の歳月をかけて開発した空白「ティムチェ゜」(ティムチェ ゜)が第一号といわれています。空白ちなみに「ティムチェ」とは「キムチ」の古語で、漢字で「沈菜」と書きます。空白
空白 では、キムチ冷蔵庫と一般冷蔵庫のちがいは何でしょうか。
 一番のちがいは冷却方法です。一般冷蔵庫の多くは「間冷式」といって、庫外の冷却装置で作られた冷気をファンで庫内に送るしくみになっています。この方法は効率がよく霜取りの必要がない半面、送風による食品の乾燥や、庫内の温度にムラが生じやすいという短所があります。それに対して、キムチ冷蔵庫では「直冷式」といって、冷蔵室全体を包みこむように壁面に冷却装置を設置し全体をじかに冷やす方式が取り入れられています。送風がないため食品が乾燥せず、温度管理も徹底されます。霜がつきやすいという短所もありますが、湿気の少ない韓国ではさほど問題にならないようです。
キムチ冷蔵庫
 そもそも、そこまで冷蔵庫にこだわる背景には、キムチという食品ならではの事情があるといえます。キムチは、発酵して初めて本来の味になる発酵食品。漬けたあと上手に発酵させ、それをおいしい状態で長持ちさせることが重要かつ難しいポイントです。キムチは、漬けて何日かは常温で発酵させ、その後低温の場所で発酵がなるべく進まないようにすることで、過発酵や腐敗することなく長期間おいしく食べることができます。
 冷蔵庫のなかった時代、朝鮮半島ではキムジャン(キムジャン) といって、空白晩秋に一冬分の大量のキムチをハンアリ (ハンアリ) と呼ばれる陶製の甕に漬けこみ、空白土中に埋めて保存していました。この土中の温度が、空白キムチの発酵・保存に最適といわれるマイナス1℃で、その状態を再現すべく生み出されたのが、まさにキムチ冷蔵庫なのです。空白
 キムチ冷蔵庫は、庫内の温度をマイナス1℃前後に保つことにより、短かったキムチの賞味期間を画期的に延ばし、4ヶ月〜半年もの間、おいしい状態で食べ続けられるようになりました。また、キムチの種類などによって何段階かの温度調節機能を使い分けたり、「浅漬け」「標準」「深漬け」などの切り替えで漬け具合いを指定できるものもあります。
 近年では、一年中手に入る白菜でいつでもキムチを漬けることができ、また市販品に押されて家でキムチを漬ける人自体、激減してしまいましたが、それでも冬越しの自家製キムチを上手に発酵させたり、市販のキムチを最後までおいしく保存するのに、キムチ冷蔵庫は重宝されています。
 
■キムチ冷蔵庫の型■
 次にキムチ冷蔵庫の型ですが、大きく分けて3つの種類があります。
 まず、ポピュラーなものでは上蓋が開閉するタイプ。冷気は暖気に比べて重いため、冷気のたまる底と反対側の上部に扉をつけることで、蓋の開閉による温度上昇を防ぎ一定の温度が保たれやすくなります。
キムチ冷蔵庫  次に、引き出しタイプ。これは開けると中が一目で見え、出し入れしやすいという利点があります。上蓋開閉タイプの下に引き出しを組み合わせた、複合型もあります。
そして最近多いのが、上半分が観音開きの扉で、開けると中に棚があり、ボックス型の引き出しがいくつもついているもの。下半分は大型の引き出しになっており、外見は大きめの一般冷蔵庫と同じです。
 
■拡大するキムチ冷蔵庫■
  韓国ではキムチ冷蔵庫の発売当初、「普通の冷蔵庫のほかにキムチ専用の冷蔵庫がなぜ必要なのか」と冷ややかな反応だったようです。
 ところが、大手家電メーカーが次々と製造販売に参入し技術競争が激しくなるに中で、すぐれた機能で使い勝手がよく見た目にも美しい商品が続々と開発され、いまや一家に一般冷蔵庫1台とキムチ冷蔵庫1台置くのがあたりまえ、といわれるようになりました。
キムチ冷蔵庫
 ここまでキムチ冷蔵庫が普及した背景には、その用途が広がったことが挙げられます。
 キムチ冷蔵庫は、庫内の場所によって細かく温度設定ができるため、一般冷凍冷蔵庫として生鮮食品の長期保存に大変優れていると言われます。また、麦飯石を含む黄土製の収納容器を取り入れて遠赤外線効果や鮮度保存効果を上げたり、抗菌効果や脱臭効果のある製品も出てきています。そのため、野菜や果物であれば水分を逃さずみずみずしいままで長期保存でき、肉、鮮魚、ワインなどもそれぞれの最適温度で保存でき、あらゆる食品に対応した「機能性冷蔵庫」になりつつあります。
 このように複雑化、高級化する韓国の冷蔵庫市場ですが、家族の少人数化や手作り料理の減少、キムジャン風習の薄れなど、韓国世情の推移もあって、キムチ冷蔵庫に対するとらえ方も人によってちがうようです。
 「一家に何台も冷蔵庫があるなど、やりくり下手な証拠」「電気代がバカにならない」「冷蔵庫メーカーの宣伝文句に踊らされている」「冷蔵庫が増えるほど古い食べ物を家族に食べさせることになる」という反対意見から、「家事をすればするほどキムチ冷蔵庫が必要になる」「キムチ冷蔵庫に入れるのは、なにもキムチだけではない」「キムチ冷蔵庫1台でキムチ、冷凍、冷蔵のスペースを使い分けている」といった賛成意見まで、さまざまな声が聞かれます。



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