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韓国の食文化について、伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ読み解いていきます。
このコーナーでは今年(2015年)に入り、李氏朝鮮王朝時代から伝わる韓国の宮中料理を毎月とりあげていますが、第9回目、今月のテーマは「プゴポプラギ」(乾燥すけそうだらのほぐし和え)です。
すけそうだらは韓国語でミョンテ(
:明太)といい、
生のもの、干したもの、
冷凍ものなど四季折々でさまざまな用途に調理される国民的な大衆魚です。
中でも、開いて凍結乾燥させたものをコンミョンテ(
:乾明太)、
ミョンテポ(
:明太脯)、ファンテポ(
:黄太脯)、
プゴ(
:北魚)、プゴポ(
:北魚脯)などといい、
水で戻して蒸したり、焼いたり、煮たり、細く裂いて薬味で和えたり、
ダシがよく出るのでスープや鍋ものに入れたりと、
韓国料理ではたいへん重宝される食材です。
いわゆる日本の「干物」よりも水分をしっかりと乾燥させたこの「プゴ」は、姿のまま、
あるいはプゴチェ(
)といって皮と骨をとり細く裂いた状態で出回っています。
細く裂いたものを薬味調味料で和えると「プゴ ムッチム」
(
)あるいは「プゴチェ ムッチム」(
)
と呼ばれますが、さらに細かく綿のようにフワフワにほぐしてから、
薬味調味料で和えたものが「プゴポプラギ」です。
「プゴポプラギ」は一般に、加える調味料により白色(塩ベース)、
茶色(しょうゆベース)、橙色(粉とうがらしベース)の三色に仕上げます。
<ポゴポプラギの作り方>
@
乾燥すけそうだらの骨や皮、頭、ひれ、えらなどをとり除き、身をフードプロセッサーにかけるか、おろし金でおろして糸のように細かくほぐす。
A
三等分し、それぞれ別々に調味料を加えて手でしっかり和える。しょうゆで和えるものは、水分でカサが減るため、量を多めにとる。
【白色】塩、砂糖、ごま油、すりごま
【茶色】しょうゆ、砂糖、ごま油、すりごま
【橙色】粉とうがらし、塩、砂糖、ごま油、すりごま
B
三色を丸くこんもりと盛り合わせる。
プゴポプラギは、チュクサン(
:粥床)
と呼ばれる粥膳におかずとして添えられたり、チュアンサン(
:酒案床)
と呼ばれる酒肴膳に出されたりします。すけそうだらの堅い身をほぐすのに手間がかかり、
また手間のわりには地味な一品ですが、子どもからお年寄りまで老若男女を問わず喜ばれる料理です。
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