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韓国の食文化について、伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ読み解いていきます。
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きゅうりが季節と関係なくハウス栽培されるようになって久しいですが、旬は何といっても夏。 そしてこの時期に喜ばれる韓国の伝統料理に、きゅうりを主材料とした「オイソン」 (:きゅうりの膳 [ ソン] )があります。 |
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韓国宮中料理の流れを汲む「膳」という調理法については、このコーナーでもすでに何度か触れましたが、「膳」は主に植物性の主材料を使い、具をはさんだり混ぜ込んで加熱した、手間のかかった上品なおかずを意味します。「膳」がつく料理は、どちらかというとメインディッシュにはなりにくく、手間の割に目立たない存在となっていますが、その中において「オイソン」は、味覚的にも視覚的にも健康志向的にも現代韓国人のテイストに合うのか、地味ながら静かな人気を保ち続けているようです。 |
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それでは、オイソンの一般的な作り方を見てみましょう。 |
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きゅうりの下ごしらえ |
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きゅうりを縦半分に切ってから長さ4cmほどに切り分ける。このとき、包丁を垂直ではなく斜めに入れて、切り口が見えるように切ることが多い。切ったきゅうりはさらに同じ向きに切り込みを3本入れ(下まで切り落とさないように注意)、塩水にしばらく浸けてしんなりしたら水気をきり、油をひいたフライパンでさっと炒める。
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A |
具の準備 |
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干し椎茸をもどして細切りにし、牛の赤味肉も細切りにして、ともに醤油、砂糖、ごま油、こしょう、おろしにんにくなどで味をつけて炒める。卵を白身と黄身に分け、それぞれフライパンで別々に薄く焼いて細切りにする。
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具をはさむ
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@のきゅうりの切り込みにAの干し椎茸と牛肉の炒めもの、錦糸卵の白、錦糸卵の黄を順にはさむ。上に赤とうがらしの細切りや松の実を1つのせてもよい。きゅうり全部に具をはさんだら、平らな器に形よく並べる。ラップをして器ごと冷蔵庫で冷やしてもよい。 |
C |
甘酢をかける |
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酢、砂糖、塩、水を混ぜ合わせて甘酢を作りBに回しかける。かけて時間がたつときゅうりが褐色になるため、甘酢は提供する少し前にかけるようにする。
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上でも述べたとおり、オイソンは決して豪華な料理ではありませんが、伝統的な宮中料理や班家[パンガ]料理(李氏朝鮮王朝時代の両班(ヤンバン)など名家で作られていた料理)のコースにおける前菜として、あるいは家庭でも、新築後や結婚後などに客人を招いたときのもてなし料理として、しばしば登場します。色鮮やかな見た目と、冷たく歯触りのよい食感、上品な味わいのオイソンは、老若男女を問わず喜ばれる一品といえましょう。 |
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