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韓国の食文化について、伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ読み解いていきます。
ウォルグァチェ(
) は、炒めたエホバッ(
:朝鮮かぼちゃ)やきのこ、牛肉と、
餅生地を油で焼いたものをさっくりと混ぜた、韓国宮中料理の流れをくむ上品なおかずです。
漢字では「越瓜菜[ウォルグァチェ]」と書きますが
、「越瓜」とは古くから中国南西部で栽培されてきた瓜の一種で、
日本へは朝鮮半島経由で渡来し、「白瓜[しろうり]」の名で奈良漬け、鉄砲漬けの材料とされてきました。
韓国では「ウレェ」(
) 、 「チェグァ」(
:菜瓜)、「クンチャメェ」(
)
などという名はあってもさほど普及していなく、むしろズッキーニに似た瓜科のエホバッ
(朝鮮かぼちゃ)が、非常にポピュラーな野菜として定着しています。
実際のところ、現在ではウォルグァチェに本来の越瓜[ウォルグァ](白瓜)ではなく、朝鮮かぼちゃを使うことがほとんどのようです。
そんなウォルグァチェですが、食べてみるとチャプチェ(
:野菜と牛肉・春雨の炒め和え)と類似した料理であることがわかります。
チャプチェとちがう点は、半月切りにした朝鮮かぼちゃが入っていること、餅生地を焼いたものが入っていること、
全般的に材料が千切りではなく、大きめに切られていることなどです。
朝鮮かぼちゃの旬でもあり、食べものが傷みやすい夏場に、チャプチェの代わりに作って食べられていた向きもあるようです。
では、ウォルグァチェの一般的な作り方をみてみましょう。
@
朝鮮かぼちゃを半月切りにし、軽く塩をふってしんなりさせた後、水気を絞ってごま油、にんにくで炒める。
A
牛ひき肉を醤油、砂糖、にんにく、こしょうなどで下味をつけ、炒める。
B
干し椎茸をもどして細切りにし、同様に下味をつけて炒める。平茸も同様に炒める。
C
もち米粉に塩少々と水を加えて耳たぶ固さにこね、直径2cmほどの円形に薄くのばして、ごま油をひいたフライパンで両面焼く。
D
@〜Cをさっくりと合わせ、味が薄ければ塩、こしょうを補い、器に盛って錦糸卵、赤唐辛子の千切り、すりごまなどをあしらう。
伝統的な韓国の宮中料理であるウォルグァチェですが、近年では、大きく焼いた餅生地で具をロール状に巻いて色鮮やかな小口を見せたり、ほうれん草やにんじんの天然色素で餅生地を薄く色づけるなどのアレンジを加え、洗練された美しさとヘルシーなイメージで、新たな息吹が感じられてくるようです。
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