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韓国の食文化について、伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ読み解いていきます。
ユッケジャン (
) は、
牛肉を中心にもやし、わらび、大根、葱、にらなどの野菜を加え、
とうがらしとにんにくをきかせて煮込んだ真っ赤な激辛スープのことです。
もともと、犬肉を辛く煮込んだスープを
「ケジャン」 (
) と呼んでいましたが、それを牛肉で作るようになり、
肉すなわち牛肉を意味する「ユッ」 (
) を頭につけて「ユッケジャン」と呼ばれるようになったようです。
ユッケジャンは韓国語でしばしば、
ではなく
(発音は同じ) と表記されているのを見かけますが、
厳密にはこれは誤字とされます。犬 (
:ケ) のかわりに鶏 (
:ケ )
を使ったことで混同してこのような誤表記が生じたようですが、鶏肉で作った場合は、鶏を意味する「タッ」 (
)をつけて
「タッユッケジャン」 (
) あるいは「タッケジャン」 (
) というのが正しいようです。
さて、ではユッケジャンの作り方をみていきましょう。ユッケジャンにはいろいろな作り方がありますが、一般的なプロセスはざっと次のようになります。
@
牛肉を茹でる。
ブリスケやスネ肉、モモ肉などのブロックを長時間煮込んで作ると美味しいダシの出た本格的なユッケジャンになります。一方、家庭などでは薄切りや切り落としの牛肉でも、手軽にユッケジャンを作ることができます。
A
柔らかくなった肉を繊維にそって裂く。
肉の部位や肉質によって茹で時間が異なりますが、ブロック肉の場合だいたい1〜2時間ほど煮込むとほろほろと手で裂けるようになります。
B
野菜を下ごしらえする。
大根、葱、にらなどの野菜は刻み、わらび、ぜんまい、ずいきなどの乾物は、ぬるま湯につけたり熱湯で茹でこぼすなどの下処理をします。
C
肉と野菜をヤンニョムで和える。
裂いた肉と下ごしらえした野菜をひとつのボールに入れ、粉とうがらし、コチュジャン、こしょう、しょうゆ、おろしにんにく、ごま油などを加えてまんべんなく和えます。
D
鍋で炒め、スープを注いで煮る。
鍋にごま油をひいてCを炒め、
@の茹で汁(スープ)を注いで煮ます。あるいは、鍋にごま油と粉とうがらしを炒めて「コチュギルム」
:とうがらし油)を作り、そこにCを入れて炒めた後、スープを注ぐこともあります。
沸騰後、火を弱めてグツグツ煮込み、塩などで味をととのえます。
材料はほかにもお好みできのこや筍、白菜、にんじん、玉ねぎ、ピーマン、ズッキーニなどを使ったり、辛くしたい場合は生のとうがらしを刻んで入れることもあります。また、仕上げに溶き卵を流し入れたり、錦糸卵をあしらうこともあります。薄切りの牛肉で作る場合は、肉や野菜を炒めて煮込んだあとでヤンニョムを溶き入れる方法もあります。
ユッケジャンはもともと、
ご飯とセットで提供され、各自でスープにご飯を入れて
「ユッケジャン クッパプ」 (
)
にして食べたりするものでした。また、麺とも相性がよいため、
ユッケジャンにうどんを入れた「ユッケジャン カルグッス」 (
)
や「ユッケジャン ウドン」
(
) などのメニューも登場しています。
また、ユッケジャン味のインスタントラーメンやカップラーメンも続々と開発され、さまざまな商品が発売されています。
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