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韓国の食文化について、伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ読み解いていきます。
チュィポ
は、かわはぎの干物のことです。
チュィチポ
ともいいます。かわはぎは韓国語でチュィチ
といい、
ポ
は厚みのあるものを薄く開いて乾かした、いわゆる「開き」をさします。
韓国のチュィポは、日本のかわはぎの干物同様、かわはぎの身を甘味のある調味料で味つけした後、張り合わせて丸く整形し乾かしたものです。ルーツをたどると1900年代前半に日本からもたらされ、その後1950〜60年代に韓国内での製品化が進んで盛んに出回るようになり、現在に至るまで老若男女を問わず韓国庶民の絶大な人気を誇る食べものとなっています。
名産地は慶尚南道[キョンサンナムド]で、最初のチュィチポ工場ができた三千浦[サムチョンポ]
のほか、麗水[ヨス]
も有名です。しかし現在では韓国産が減少し、かわりにタイ産、ベトナム産、中国産や、それらの原産品を三千浦や麗水で加工したものが主流となっています。
チュィポは、そのまま炙ったりフライパンで焼けば手軽なおやつ、あるいは酒の肴となります。また下記のように韓国独特の薬味調味料(ヤンニョム)で仕上げたものも人気です。韓国の家庭では、買ったりもらったりしたチュィポが冷蔵庫や冷凍庫で眠っていることがしばしばあり、硬くなってしまったチュィポを柔らかくおいしく食べる工夫がされます。
そのほか、切って唐揚げ粉やパン粉をまぶし油で揚げた
チュィポティギム (
:かわはぎの揚げもの)もスナック感覚で食べられ、
さらには身を粉砕して粉類を混ぜこみポテトチップスのように再成型したティギムチョミポ
(
:
フライ用調味かわはぎ)も市販されており、揚げるだけで手軽に「かわはぎチップス」を食べることができます。
<チュィポポックム>
チュィポポックム(
:
かわはぎの炒めもの)は、韓国の伝統料理とまではいきませんが酒の肴に、あるいはご飯やお弁当のおかずに、しばしば登場する国民的な料理です。
作り方は、一口大に切ったかわはぎをフライパンで炒め、酒、しょうゆ、コチュジャン、水飴、にんにくなどを混ぜ合わせたたれをかけて照りよく炒めあげます。かわはぎが硬いときは、水に軽く浸してもどしたり、炒めるときに水を加えて弱めの火でじっくり炒めると柔らかく仕上がります。たれは、辛味を入れずにあっさり仕上げたり、逆にコチュジャンや粉とうがらしをたっぷり入れて真っ赤に仕上げたり、また近年ではウスターソースやマヨネーズ、オリゴ糖、梅シロップ、オリーブ油などを使ってさまざまに工夫されます。ピーナッツやくるみ、松の実、アーモンドなどを加えて水飴で全体をからめると、豪華な仕上がりになります。
調理方法も、かわはぎを炒めながらたれを加えていく方法や、炒めてからボールに移してたれで和える方法があります。
料理名としては、チュィポポックム(
:かわはぎの炒めもの)
のほかチュィポムッチム(
:かわはぎの和えもの) 、
チュィポチョリム(
:かわはぎの煮つけ)と呼んだり、「細切り」を意味する「チェ
」をつけて、
チュィポチェポックム(
:かわはぎの細切り炒め)と呼ぶこともあります。
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