キーワードで見る食文化
韓国の食文化について、伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ読み解いていきます。

ポンデギ
スペーサー
 ポンデギ 犬腸 とは、韓国語でもともと昆虫の蛹(さなぎ)をさすことばですが、現在では意味が特化されて蚕(かいこ)の蛹の料理をさすのが一般的です。また、韓国語の綴字法では 犬腸 が正しい表記とされていますが、実際には 犬腸 犬腸 などとも記されます。
 蚕は絹の採取や食用のために有史以来、世界各地で人間に飼われてきた昆虫で、養蚕の起源は5,000年前の中国にさかのぼるといわれます。昆虫には数百万もの種類がありますが、人類によって「家畜化」された昆虫は蚕と蜜蜂だけといわれています。
ポンデギ
 蚕は卵から孵化すると桑の葉を食べて約1ヶ月の幼虫期間を過ごした後、口から糸を吐いて自分の周りに張り巡らせ、繭(まゆ)をつくります。繭の中では幼虫が1〜2日で蛹になり、さらに2週間ほどかけて羽化すると、蛾となって繭を破り外へ出ていきます。絹糸をとるためには、繭が破られる前に繭を丸ごと茹でなければなりません。茹でてほぐれた糸をぬきとった後、中の蛹が残りますが、それがポンデギです。

 蛹にはタンパク質、脂質をはじめ、カルシウム、リン、鉄などの栄養分が豊富に含まれるため、朝鮮半島以外でも中国、ベトナム、タイなどの養蚕の盛んな地域や、日本の長野県、群馬県などでも古くから食用にされてきました。主な調理法は、煮つけ、揚げもの、炒めものです。
 韓国では養蚕が盛んになった1960年代ごろから、屋台などでポンデギを炒ったものが多く出回るようになり、紙筒からつまんで食べるスナック感覚のおやつ、あるいは酒の肴というイメージが定着しました。その後、韓国内における養蚕の衰退や、蛹という一種独特な食材ゆえ、好き嫌いの分かれる食べものとはなりつつも、スーパーの缶詰コーナーで手軽に買えるようになり、根強い人気を保っています。
屋台のポンデギ

<ポンデギ料理>
屋台のポンデギ
 韓国屋台のスタンダードなポンデギは、汁気がなくなるまで炒りあげた、薄塩の素朴な味。カリッと香ばしい殻と、とろりと濃厚な中身が絶妙です。
 これと似ていますが、屋台の居酒屋やビアホールなどではポンデギポックム (犬腸:ポンデギ炒め) といって、葱やきのこ、あるいは餅などとともにポンデギを甘辛く炒めたメニューがあります。家庭でもポンデギの缶詰を使って手軽に作ることができます。
 また、ポンデギタン (犬腸:ポンデギ鍋) も居酒屋メニューのひとつです。これはポンデギを葱やとうがらしとともにピリリと辛く煮込んだスープで、生の青とうがらしや赤とうがらし、にんにく、コチュジャン、こしょうなどの香辛料をきかせ、しょうゆや塩で味をととのえます。



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