<郷土色豊かなスンデ>
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「アバイ」は朝鮮半島の最北部、咸鏡道[ハムギョンド]地方の方言で「おじさん」「おじいさん」を意味します。スンデはもともと咸鏡道の郷土料理でもありましたが、朝鮮戦争により北部から避難してきて戦争後、帰れなくなるなどして南部に住み着いた、いわゆる「失郷民[シリャンミン]」たちが作った咸鏡道式のスンデを、「アバイスンデ」と呼んでいます。アバイスンデの特徴は、具にもち米が使われているところ。
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アバイスンデの店は、江原道[カンウォンド] 束草[ソッチョ]や釜山[プサン]などに多くあります。 |
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忠清南道 竝川 [ピョンチョン]には有名なスンデ通りがあります。
古くからの交通の要所、天安[チョナン]からほど近い竝川では、 20世紀初めごろハム工場ができたことも影響して、伝統的な五日市の立つ「アウネ市場」 で、商人や庶民に安価で美味しいスンデやスンデクッパプを出したのが始まりといわれます。 竝川スンデは刻んだ野菜がたくさん入っているのが特徴。 |
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韓国南端の島、済州島の名物スンデ。
済州島は古くから養豚がさかんで、独特な豚肉料理が発達してきました。済州島スンデの特徴は、大きいこと、もち米が入っていること、鮮血をたっぷり使って濃紅色を帯びていながら臭みがないこと、といわれます。 |
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<スンデを使った料理>
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輪切りにしたスンデに玉ねぎ、キャベツ、にんじん、えごまの葉などの野菜も加え、しょうゆやコチュジャン、にんにくなどを混ぜ合わせた甘辛いヤンニョムジャンで炒めたもの。 |
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スンデや豚の内臓類を煮込んだ白濁スープ。
葱や豆もやし、大根などの野菜も加え、 ボリュームたっぷりに仕上げます。味つけは塩、 胡椒、にんにくなどが基本ですが、とうがらし粉やしょうゆ、 にんにく、生姜などを混ぜ合わせた を添えて、とかしながら食べたりします。 |
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スンデクッの中にご飯が入っています。 あるいは、スンデクッとご飯が別々に出てきて、自分でご飯をスープに入れて食べます。 この場合も、塩味の白濁スープが基本ですが、食べている途中で やその他の薬味などを入れて、何種類もの味を楽しんだりします。 |
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また、豚の腸以外でも筒状の食材に具を詰めて作った、次のようなスンデがあります。 |
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いかのワタをぬき、 刻んだゲソやキムチ、野菜、豆腐などを混ぜ合わせて胴体に詰め、蒸したもの。 輪切りにしヤンニョムジャンをつけて食べますが、近年、輪切りにしてからさらに卵をつけて「ジョン」 状に焼いたものがよく見られます。 |
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スケソウダラのワタをとり除き、 ひき肉や豆腐、刻んだキムチや野菜を混ぜ合わせて中に詰め、蒸したもの。 ともいいます。 |
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