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韓国の食文化について、伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ読み解いていきます。
トッポッキは直訳すると「餅炒め」。
韓流ブームにより、日本でも一躍有名となったトッポッキですが、韓国では小腹がすいたときに街角や市場の屋台に立ち寄って軽くつまんでいくような、大衆的なおやつの代表といえましょう。
おやつと言っても、トッポッキは甘い食べものではなく、
コチュジャンをきかせた真っ赤なたれで餅を炒め煮にしたものです。
韓国にはさまざまな餅がありますが、トッポッキに使う餅は「カレトッ」
といって、うるち米の粉をこねて蒸し、
搗いて細長くのばした棒状の白餅です。
薄い塩味がついた「カレトッ」は、トッポッキ以外にトックッ
という餅スープにもしますが、トックッ用には太めの棒餅を斜めに
スライスした小判型のものを使うのに対し、
トッポッキ用には一回り細くのばした棒餅を長めに切った、
ソーセージ状のものを使うのが一般的です。
トッポッキのおいしさは、餅の独特な歯ごたえや風味もさることながら、やはりタレの味が重要であるといえます。タレは「トッポッキ ヤンニョム」「トッポッキ ソース」などと呼ばれる既製品が使われることも多いようですが、自分で配合する場合にはコチュジャンにしょうゆ、酒、砂糖、粉とうがらし、煮干しのだし汁などを混ぜ合わせ、とろりと甘辛い味に仕上げます。ほかに隠し味としてオリゴ糖や水飴、みりん、梅シロップなどを加えててりを出したり、おろしにんにく、ごま油、梨や玉葱のすりおろしを加えたりと、さまざまな工夫が凝らされます。
<トッポッキの種類>
屋台のトッポッキは多くの場合、餅だけを甘辛いたれにからめたものですが、家庭で作る場合には、薄いさつま揚げを一緒に入れたり、ゆで卵、葱、にんじん、キャベツ、豆もやしなどを入れたりもします。
また、一風変わったものに「宮中 [クンジュン] トッポッキ」
があります。これは、餅以外に牛肉や
玉ねぎ、にんじん、ピーマン、きのこなどが入った具だくさんの炒めものであること、
甘辛い醤油ベースのたれで茶色っぽく仕上げること、
などが一般のトッポッキとちがう点です。
<トッポッキから派生した料理>>
トッポッキは国民的な人気料理だけに、そこからさまざまなアレンジ料理も生まれました。
トッポッキのタレでインスタントラーメンの麺を炒めたもの。餅や葱、ゆで卵、にんじん、にら、さつま揚げなど具をいろいろ入れて豪華に仕上げることもあります。イメージとしては、トッポッキ味の焼きそばといったところ。
ジャージャー麺用の茶色い甘味噌で餅を炒めたもの。玉ねぎやピーマン、にら、ゆで卵、さつま揚げなどの具を入れることもあります。
トッポッキの上にとけるチーズをのせてグラタン状に仕上げたり、全体にチーズをからめてとろりと仕上げたりします。
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