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韓国の食文化について、伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ読み解いていきます。
は、一口大に切った魚や肉、
野菜などに塩こしょうして小麦粉をまぶし、
とき卵をつけて油で焼いた、
伝統的な韓国料理のひとつです。
漢字で「煎」と書き、前にくることばによっては「チョン」
と発音されることもあります。
ジョンはイタリア料理のピカタと似ていますが、
一つ一つがもう少し小さく可愛らしいイメージがあります。
また一方で、いく種類もの具を生地に混ぜ込んでお好み焼き状に大きく焼くものや、
緑豆をすりつぶして生地にするものなど、異なるタイプのジョンもあります。どのタイプのジョンも、たいてい酢じょうゆ
や薬味じょうゆ
を用意し、つけていただきます。
そして、この料理はジョン以外に
、
、
、
、
などと呼ばれることもあります。
ジョンは手間のかかる料理ですが、ご飯のおかずや酒の肴として人気があり、家庭でも飲食店でもしばしば目にします。また、盆正月や先祖の命日にとり行われる祭祀[チェサ](法事)に際しても、供物として欠かせない一品です。韓国では、祭祀に先立ち大量の祭祀料理を作らなければならない主婦のストレスが近年話題になっていますが、手間のかかる祭祀料理の筆頭が、まさにこのジョンといえましょう。
<いろいろなジョン>
魚の身を一口大のそぎ切にして塩こしょうをふり、
小麦粉をはたいてとき卵にくぐらせ、
ごま油をひいたフライパンまたはホットプレートで両面焼きます。
鱈を使った
または
、えびを使った
、
牡蠣を使った
、
鯛を使った
などがあります。
ともいいます。ズッキーニを輪切りにして作る
、青とうがらしやししとうがらしを縦半分に切って肉などを詰めた
、さつまいもで作る
、蓮根を輪切りにして作る
、椎茸の内側に肉などを詰めた
、えごまの葉でひき肉などをはさんだ
、わらびを刻んで生地に混ぜ込んだ
などがあります。
薄切りにした牛の赤身肉に塩こしょうで
下味をつけて作ります。
ほかに肉を使ったジョンには、牛レバーで作る
、牛センマイ(第三胃袋)を使った
などがあります。また、牛や豚の挽肉に豆腐や薬味を混ぜてこね、
肉団子を平たくしたような形にして焼いたジョン
は、
あるいは
、
などと呼ばれます。
いろいろなタイプがありますが、
小麦粉やもち米粉の生地をフライパンに大きく流し入れ、
長く切った細ねぎを並べてのせ、
上からとき卵をかけて両面焼いたものが一般的。貝柱やいか、
えびなどのシーフードを加えた豪華な
もあります。
すりおろしたじゃがいもをベースに、刻んだキムチやねぎ、肉などを加えて生地を作り、油を多めにひいたフライパンに丸く広げて両面焼きます。
粗く挽き割った緑豆を一晩水につけ、浮いてくる皮をとり除いてからミキサーにかけ、上記のカムジャジョン同様に焼いたもの。別名
。
「ジョン」という名はつくものの、唯一餅菓子の部類に入るものです。もち米粉を水でこねて小さく丸め、薄くのばして円形に形作ってから油をひいたフライパンで焼きます。最後に食用花をのせてさっと焼き上げ、蜂蜜をまぶします。食用花には、つつじ、すみれ、梅、桜、れんぎょう、菊などを使うほか、よもぎの葉やなつめの細切りを組み合わせて美しく飾ります。また、生地自体に抹茶や紅芋粉、黒ごま粉などを混ぜ込んで薄く色づけすると、見た目も味も華やかなファジョンになります。
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