キーワードで見る食文化
韓国の食文化について、伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ読み解いていきます。

サム
スペーサー
サム
  サム とは、葉もの野菜でご飯やおかずを包んで食べる、韓国独特の料理のひとつです。サムは「包む」を意味する動詞サダ の名詞形にあたり、特定の料理名であると同時に、食べ方をさすことばでもあります。

<サムに使う野菜>
 韓国のサム料理では、じつにいろいろな野菜類が、包む材料として用いられています。ポピュラーなものでは、サンチュ、サニーレタス、えごまの葉、チコリなど。これらは生で用います。一方、茹でたり蒸したりして用いるものに、白菜やキャベツ、ふきの葉、かぼちゃの葉、ひま(とうごま)の葉などがあります。
 また、葉の幅が広くないものでも、春菊や芹、エンダイブなどがしばしばサムに使われます。これらは、何枚か重ねるようにすると上手に包むことができます。それから、わかめの幅広の部分や、生の昆布、焼き海苔などの海草類も使われます。
 サム料理の発達した韓国では、包むのに最適な手のひらサイズの段階で収穫された野菜類が、多く流通しています。白菜、サニーレタス、ふきの葉なども、サム仕様のものを求めれば、ちぎらずに一枚そのままで包むことができます。それらはまた厚さも薄めで、繊維も柔らかく、アクも弱いため、じつに美味しくサムを食べることができます。

<サムの食べ方>
簡単なようで、慣れない人には意外と難しいのが、サムの食べ方です。
まず、葉を一枚手のひらにのせます。あるいは、たとえばサンチュ一枚とえごまの葉一枚、というようにとり合わせてもよいでしょう
葉の上に、ご飯を一さじのせます。ご飯の量は、多くなりすぎないように気をつけましょう。
ご飯の上に、焼肉や煮魚などのおかずを一切れのせます。
パチェ という白髪葱の和えものや、キムチなどの副菜があれば、それも少しのせます。
サムジャン という、サム用の合わせ味噌を少しのせます。
葉で全体をくるりと包み、口へ入れます。半分で噛み切ったりせず、一口で頬張って食べきるのが基本です。

 ③で肉を包めばコギサム①でサンチュで包めばサンチュサム、わかめで包めばミヨクサムと呼んだりします。また、「包みご飯」を意味するサムパプ という呼び方をすることもあります。そして、おかず類がなくてもご飯とサムジャンだけを野菜に包んで食べることもあります。
 それから、風呂敷 で包むイメージからポサム と呼ぶこともあり、現在では「ポサム」というと、茹で豚の薄切りを野菜で包んで食べる料理をさします。
 韓国では、包むという行為自体、福 を包むイメージを帯びていることもあり、旧暦1月15日にその年の健康を祈って干し野菜のナムルを包んで食べる、ポクサム という伝統料理もあります。


<サムジャン>
 サム料理のポイントとなるのが、Dのサムジャン(サム用の合わせ味噌)です。サムジャンには、味噌やコチュジャン、にんにく、ごま、みじん葱などの薬味調味料をそのまま混ぜ合わせた手軽なタイプのものから、煮干し粉やひき肉を炒めてから薬味調味料を加えて煮詰めたもの、玉ねぎを加えたもの、生のとうがらしを加えたもの、ナッツを加えたものなど、いろいろな種類があります。
 料理のフュージョン化がすすみ、アイディアひとつでさまざまなアレンジ料理が生まれる昨今の韓国では、ディップ感覚でオリジナリティあふれるサムジャンが次々と紹介されています。その一方で、伝統的な味への根強い人気があるのも確かなようです。出来合いのサムジャンも多く流通しています。

 ソウルでは、近年のウェルビーイング旋風で菜食が脚光を浴びるにつれ、伝統的な韓国料理をおしゃれにメニュー化した菜食レストランが多く出現し、その中にはサムパプ専門店もあります。サムは、今後とも韓国料理の一ジャンルとして生き続けるものと思われます。



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