キーワードで見る食文化
韓国の食文化について、伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ読み解いていきます。

キムチ
スペーサー
 キムチとは、韓国語で漬物の総称です。
いまや「キムチ」ということば自体、すっかり日本語にとけ込んだ感がありますが、ルーツである韓国語のキムチは、日本語と少し概念が異なります。韓国料理研究の大家・尹瑞石(ユンソソッ)は、著書『韓国の飲食用語』(1991)の中で「キムチ」を次のように言い表しています。
 「大根、白菜などを塩漬けし、とうがらし、ねぎ、にんにく、生姜などさまざまな薬味や塩辛を混ぜ合わせたものをまぶして寝かせた、野菜の塩蔵発酵食品。キムチは、漬け込む野菜、漬け方、地域などにより、種類は200以上にものぼる」「韓国では上古時代、大根、なす、筍などを塩または塩と麹、酒粕に漬けていたものと考えられる。新羅〜高麗時代になると山椒、生姜、陳皮などの香辛料を使ったナバッキムチ(汁の多いキムチ、下記参照)類が発達した。そして李氏朝鮮王朝時代初期にとうがらしがもたらされると、山椒に代わってとうがらしが使われるようになり、さらに塩辛ととうがらしを併用したキムチに発展した。その後、白菜の品種改良により株漬け白菜キムチが発達し、こんにちのような素晴らしい伝統料理に発展した」

 ■キムチのいろいろ■
 上述のように、キムチの種類は非常に多岐にわたりますが、代表的なものをいくつかご紹介しましょう。

ペチュギムチ
 白菜キムチ 白菜を主材料とするキムチでも、さまざまな漬け方があります。もっともオーソドックスなものがトンギムチあるいはポギキムチと呼ばれる、株漬けキムチです。これは、白菜を2つ割(または4つ割)にして塩漬けした後、水洗いして水気をしぼり、あらかじめ混ぜ合わせておいたヤンニョム(薬味香辛料)を葉の間にはさむように塗り、丸めて容器にすきまなく詰めていきます。ヤンニョムは、にんにく、とうがらし、生姜、ねぎ、塩辛、梨、芹、米糊、魚介などを混ぜ合わせますて作りますが、配合は家庭により、季節により、地方により多種多様です。食べるときは、容器から取り出して食べやすく切って器に盛ります。
 株漬けキムチに対して、あらかじめ刻んだ白菜を塩漬けして薬味をまぶした、バラ漬け白菜キムチもあります。これは長期保存がききませんが、株漬けに比べて作る工程が簡便で、食べるときにも切る手間がかからないこともあり、日本への輸出用キムチは多くがこのタイプです。
ペチュギムチ

カットゥギ カットゥギ
 大根の角切りキムチ 大根を一口大の四角に切って塩漬けし、ヤンニョムをまぶして漬け込みます。大根のキムチとしてはもっとも一般的なキムチです。カットゥギという料理名は、大根をザクザクと角切りにするときの擬態語カットゥギに由来します。

オイギムチ
 きゅうりのキムチきゅうりを使ったキムチで代表的なものは、オイソバギすなわち、きゅうりのはさみキムチ。これは、きゅうりをそのままか長さ半分に切り、中ほどに十文字の切り目を入れて塩漬けし、せん切り大根やねぎなどの具を詰めて漬け込んだものです。きゅうりの旬である夏場によく漬け、長く置かずに早めに食べ切ります。 オイギムチ

ムルギムチ
 水キムチ。大根や白菜、にんじんなどの野菜を一口大に切り、薄塩の汁に漬け込んだキムチ。汁は米や小麦粉を少し加えてごく薄い糊状に炊いたり、砂糖を少し加えたりして、甘酸っぱく発酵させます。汁と具の両方を楽しむムルギムチは、日本ではあまりなじみがありませんが、韓国ではご飯や粥、餅を食べるときによく出てきて、爽やかな汁でのどを潤す、非常にポピュラーなキムチです。 ムルギムチ
 汁たっぷりのキムチとしては、ほかにナバッキムチ白菜や大根の薄切りを、粉唐辛子で赤く染めた塩水に漬けたキムチ)、トンチミ大根を丸ごと塩水に漬けて長期発酵させたキムチ)などがあります。

ポサムギムチ
 包みキムチ一口大に切った大根や白菜、牡蠣、えび、たこなどの魚介類や梨、栗、なつめなどの具を薬味、塩辛などと混ぜ合わせ、白菜の葉で丸く包んで漬けた、豪華なキムチです。「ポ」は風呂敷、「サム」は包む意味で、ポギムチともいいます。 ポサムギムチ
 生の魚介類を使うため、長く置かずに早めに食べ切ります。

ペッキムチ ペッキムチ
 白キムチ。粉とうがらしを使わずに白くさっぱりと仕上げた、朝鮮半島北部地方の白菜キムチ。白菜を2つまたは4つに割って塩漬けし、ねぎやにんにく、生姜、芹、糸とうがらしなどの薬味をはさんで塩水に漬け込みます。薬味をすりおろさず、刻んで加えることにより、澄んだ汁に仕上げることができます。




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