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韓国の食文化について、伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ読み解いていきます。
塩辛のことを韓国語で
または
といいます。
そもそも「塩辛」とは、
魚介類を塩漬けして発酵・熟成させた保存食品のことをいいます。
原料である魚介類は、
発酵過程でタンパク質が
分解されてアミノ酸となり、うま味をひき出しています。
韓国の「チョッカル」は、日本の一般的な塩辛と比べると発酵度が高く、味・香りともクセが強いものが多くあります。原料となる魚介類も多岐にわたっています。
韓国の在来市場にはたいてい塩辛専門店があり、アミ、いわし、いしもち、太刀魚、牡蠣、いかなご、ハタハタ、かれい、たら、さんま… と実にさまざまな塩辛が量り売りされています。そして同じ魚の塩辛でも、収穫時期や品質により、さらに何種類もに分かれていることがあります。
また、韓国で「チョッカル」の範疇に含まれるものに、魚醤(ぎょしょう)があります。魚醤は韓国語で
、
などと呼ばれるもので、直訳すると「液塩辛」「塩辛汁」という意味になります。塩辛をこしてとった上澄み汁のことです。
魚醤は韓国料理においてきわめてポピュラーな調味料で、キムチを漬けるときの薬味に入れたり、
鍋ものやスープ、煮ものの味つけにも、よく使われます。
ちなみに日本で魚醤といえば、ハタハタを原料とする秋田の「しょっつる」、いかを原料とする能登の「いしる」、
いかなごを原料とする瀬戸内海の「いかなご醤油」などがあります。
それでは、具体的な韓国のチョカルの種類を見てみましょう。
アミに塩を加えて混ぜ、場合によっては焼酎も加えて熟成させます。塩分は季節や地域により異なりますが、一般に20〜40%ほど。またアミにはいろいろな種類がありますが、塩辛用には小型で殻の薄いものが使われます。
アミの塩辛は他の塩辛と比べて脂肪分が少なく、クセのないさっぱりとした味が特徴で、おかずとして食べるというより、調味料としてキムチを漬けるときや鍋ものの味つけに使われるのが一般的です。特に、ソウルや京畿道(キョンギド)をはじめとする中部地方のキムチには、アミの塩辛が多く使われます。また、小皿に入れて茹で肉や豚足を食べるときにつけたりもします。アミの塩辛は、韓国の塩辛の中で消費量がトップです。
ひこいわしに塩をたっぷりまぶし、
濃い塩水を注いで涼しい場所で熟成させて作ります。
独特の強い匂いが特徴です。いわしの塩辛は、アミの塩辛同様、
おかずとして食べるよりも汁の部分
をキムチや鍋もの、スープの味つけに使うなど、調味料としての役割が大きいです。
韓国ではアミの塩辛に次いで消費量が多く、
特に慶尚道(キョンサンド)、全羅道(チョルラド)、済州島(チェジュド)
など南部地方でよく使われています。
鱈の腸を小さく切って塩漬けした後、
粉とうがらし、にんにく、葱、生姜などの薬味をまぶして熟成させます。
食べるときに、ごま、ごま油、酢などで和えて食べます。
ともいいます。
生のたらこに、塩、粉とうがらし、おろしにんにくなどを混ぜ合わせたものをぬり、容器に隙間なく詰めた上にさらに塩をまぶして熟成させます。食べるときに切ってごま、ごま油、葱などを混ぜます。
小さな牡蠣を使い、1〜2日塩漬けしてから粉とうがらし、にんにく、生姜、葱、もち米糊などを混ぜ合わせたヤンニョムで和えて寝かせます。薄切りにした生栗や梨、大根を混ぜることもよくあります。食べるときに、ごま、ごま油、葱を混ぜます。傷みやすいため、冷蔵保存して一週間くらいを目安に食べきるようにします。牡蠣の旬である、冬の季節料理です。
いしもちの口とエラに多めの塩をすりこみ、容器にぎっちり並べてさらに塩をまぶし、濃い塩水を注いで数か月熟成させます。いしもちの旬である5〜6月ごろ仕込みます。汁の部分をとってキムチに入れたり、身の部分を薬味で和えておかずとして食べます。
いかの身を細切りにして塩漬けした後、粉とうがらし、青とうがらし、葱、にんにく、ごま、ごま油などで和えて作ります。日本のように、いかの腹わたを入れることはあまりありません。おかずとして食べる塩辛です。
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