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韓国の食文化について、伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ読み解いていきます。
麺類のことを韓国語では
または
といいます。
「ミョン」は中国語の「麺」に由来する漢字語で、古くは高麗時代の文献『高麗図経』(1123年)に登場しますが、その当時「ミョン」といえば小麦粉をこねた生地を広く意味していました。一方「ククス」は「掬水」という漢字を当て、「ミョン」とほぼ同じ意味で使われてきましたが、材料は小麦粉のみならず、そば粉や緑豆、葛なども使われてきました。
現在、韓国の麺料理は発達して材料、製法ともいろいろなものがありますが、製法を大きく分けると「切り麺」と「圧搾麺」二つに分類されます。
「切り麺」は、穀物粉に水を加えてこね、薄く延ばして折りたたみ、
包丁で細く切った麺のことで、小麦粉の生地で作った
や、そば粉の生地で作った
がその代表。「切り麺」は、コシのある生地を作る必要性から、粘性のある小麦粉を主材料にしたり、卵や山芋などをつなぎに使うことが多くあります。
一方「圧搾麺」とは
、穀物粉を熱湯でこねて粘性のある生地を作り、それに圧力をかけて小さな穴から熱湯の中に押し出して湖化させた麺のこと。
「押し出し麺」ともいいます。
や、
、
などがこれにあたります。
それでは、具体的に韓国の代表的な麺料理をみてみましょう。
そば粉やじゃがいも澱粉、さつまいも澱粉、
小麦粉などを配合した圧搾麺を使います。
麺は茹でたてを水洗いして水気をよく絞り、茹で卵や茹で肉、
キムチ、梨などをのせた後、鶏スープや水キムチの汁で
作ったさっぱりとした味の冷たいスープをかけて食べます。
冷麺といえば一般にこれをさすことが多いですが、
もともと平壌(ピョンヤン)地方の名物料理で、
あるいは
ともいいます。
上記の冷麺と同様の麺を使いますが、
冷たいスープをかけるかわりに、
麺に甘辛いたれをからめ、刺身や野菜、果物などをのせたもの。
あるいは
ともいいます。
小麦粉をこねて包丁で切った細うどん状の麺を使い、煮干しダシなどに醤油や塩を加えたさっぱりとした味の汁をかけたもの。
冷麺と同様の麺を使い、ふちの浅い広鍋に麺と茹で肉などを並べて、あっさり味のスープをかけたもの。火にかけながら、アツアツをいただきます。
素麺のような小麦粉の細麺を使い、豆乳と鶏スープを混ぜ合わせた冷スープをかけたもの。夏の味覚です。
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