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韓国の食文化について、伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ読み解いていきます。
ポクム
は「炒めもの」をさします。『韓国の飲食用語』(尹瑞石[ユンソソッ]著 1995)をみると、「ポクム」について次のように解説されています。
「肉、野菜、魚の干物、海草などを下ごしらえして切り、油で炒めた料理の総称。
ポクム料理はおよそ200℃以上の高温で材料を炒めることにより、水気を出さずに仕上げることができる。
油だけで炒めるものや、炒めながら醤油、砂糖などで味つけするものなどがある。」
具体的にポクム料理をみてみると、材料名を前につけて「○○ポクム」「●●ポクム」というように、非常に多種類のポクム料理があります。味つけは、コチュジャンやとうがらし、にんにくなどを使った甘辛いものが主流ですが、中には塩ベースのもの、しょうゆベースのものもあります。
では、その中でも比較的ポピュラーなものをいくつか挙げてみましょう。
ピリ辛のヤンニョムで下味をつけた豚肉を油で炒め、キムチや葱、玉ねぎなども加えて炒め合わせる。いわゆる「豚キムチ」。
いかに包丁目を入れて一口大に切り、
コチュジャンたっぷりの甘辛いヤンニョムで炒める。玉葱やにんじん、ピーマンなどの野菜を加えることもある。
また、韓国の南海岸で多くとれるテナガダコを同様に炒めた
も有名。
甘辛いヤンニョムで下味をつけた牛肉をフライパンで炒める。ピーマンや玉葱、にら、ブロッコリーなどの野菜や、きのこを加えて炒め合わせることもある。
黒豆を使うことが多く、水につけた豆を油で炒めてからしょうゆや砂糖で煮つける。日本の煮豆よりもずっと硬く仕上げ、味つけもさほど甘くない。
いろいろな作り方があるが、一口大に切ったなすを油で揚げたり炒めたり、または下茹でしたりし、甘辛いヤンニョムを絡めるように炒めて仕上げる。
きゅうりを小口切りや棒切りにして塩でしんなりさせ、水気をきって油で炒める。塩としょうゆをベースに、あっさりとした味に仕上げることが多い。
韓国式チャーハン。刻んだキムチや肉、葱、卵、海苔などを入れ、ピリ辛味に仕上げることが多い。
また、「ポックム」と同じ意味ですが、習慣的に「ポッキ」と呼ぶ料理名もあります。
うるち米で作った韓国独特の棒餅を使い、甘辛いヤンニョムを絡めるように炒める。屋台でよく見かける、真っ赤なヤンニョムを絡めたタイプのほかに、肉や野菜の具を加えて塩としょうゆであっさりと仕上げた宮中式トッポッキもある。
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