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韓国の食文化について、伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ読み解いていきます。
チャプチェ
とは、
漢字で「雑菜」と書き、いく種類もの野菜や牛肉
、春雨などを炒めて和えたおかずのこと。
現在では祭祀の供物としてはもちろん、
家庭のおかずとしても、人気のある定番料理です。
下記のように、チャプチェにはいくつか種類がありますが、一般には次のような材料を使います。
まず、
春雨。韓国の春雨は「タンミョン」
といって、
さつまいも澱粉で作った、黒っぽくて太めのものです。
タンミョンのもどし方は、
種類や用途により方法がいくつかあるようですが、
一般的には熱湯に入れてさっと茹でてからそのまましばらく置き、
ほどよい固さにもどったところで冷水にさらす、
という方法です。
ほかに、
水にしばらく浸けてから炒めたり、だし汁に浸けて
炒め煮にする方法などがあります。どの方法でも、
もどし過ぎず独特のコシを残すことがポイントです。
次に、玉ねぎ、きゅうり、にんじん、きのこ(きくらげ、椎茸、平茸など)、ほうれん草などの野菜類が入ります。野菜はそれぞれ、さっと茹でて下味をつけておいたり、塩こしょうでさっと炒めたりして下ごしらえをします。別々に下ごしらえしたものを最後に和えたとき、彩りよく仕上がるようにするのがポイントです。
そして、牛肉。牛肉はしょうゆ、砂糖、にんにく、ごま油などで下味をつけて炒めておきます。それから、錦糸卵も最後のあしらいに使います。
また、このような一般的なチャプチェ以外に、
「ヘムルチャプチェ」 (
:魚介類のチャプチェ)や、「ポソッチャプチェ」
(
:きのこのチャプチェ)、「ネンチャプチェ」 (
:酸味のきいたサラダチャプチェ) などもあります。
さて、チャプチェという料理のルーツは古く、『飲食知味方(ウムシッチミバン)』(1670年ごろ)、『飲食譜(ウムシッポ)』(1700年ごろ)、『閨壺要覧(キュゴンヨラム)』(1896年)などの料理書に登場してきました。しかし、これらの文献に出てくる「チャプチェ」は、現在のものとは少しちがっており、春雨は使わず、細切りにした野菜類を炒めて、最後に澱粉や小麦粉でとろみをつけていました。春雨を使うようになったのは、20世紀に入ってからのことです。
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