キーワードで見る食文化
食にまつわる「ことわざ」
2010年は、韓国の「食」に関する ことわざ をご紹介いたします。
ことわざから、日本との文化の違いを見てとることができます。
食べものは口づてに減り、言葉は口づてに増える
スペーサー
 食べものは人から人へと渡っていくうちに減るものだが、言葉というものは反対に人から人へと伝わるうちに増える、つまり尾ひれがつき誇張されていくものだ、という意味のことわざです。
 このことわざの出典は、1678年(朝鮮王朝時代前期)、洪萬宗(ホンマンジョン)によって著された文学評論集『旬五志(スノジ)』で、中国の格言「饌伝愈減、言伝愈濫」を韓国語で言い表したもの。
 その真意をみてみると、食べものが減ることを云々するというより、言葉を慎むよう戒めている、ということができます。
 じっさい韓国では、言葉に気をつけるよう戒める格言が日常的によく使われます。裏返せば、それだけ不用意な言葉が氾濫している、ともとれるかもしれません。たとえば、次のようなものがあります。

カヌンマリ コワヤ オヌンマリ コプタ
(カヌンマリ コワヤ オヌンマリ コプタ)
意味は「行く言葉が美しくなければ、来る言葉も美しくない」、すなわち「売り言葉に買い言葉」。

ナンマルン セガ トゥッコ パムマルン チュィガ トゥンヌンダ
(ナンマルン セガ トゥッコ パムマルン チュィガ トゥンヌンダ)
意味は「昼の言葉は鳥が聞き、夜の言葉はねずみが聞く」、すなわち「壁に耳あり」。

マル マヌンチブン チャン マット スダ
(マル マヌンチブン チャン マット スダ)
「言葉の多い家は醤油の味も苦い」、すなわち「口数の多い家庭は自家醸造物の管理もきちんとできず、暮らしがうまくいかない」

パルオムヌンマリチョルリカンダ
(パル オムヌン マリ チョル リ カンダ)
意味は「足のない馬(言葉と同音語)が千里を行く」、すなわち「言葉は瞬く間に遠くまで広がる」。




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