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2010年は、韓国の「食」に関する ことわざ をご紹介いたします。
ことわざから、日本との文化の違いを見てとることができます。
日一日と寒さが増すこの季節。韓国でも風邪が流行るのは寒さの厳しい季節だ。風邪は「風邪症候群」とも呼ばれ、
文献によって医学的な定義づけがまちまちだが、韓国語の「カムギ」
(
:感気)も日本語同様、あいまいさを含んだことばである。ちなみに、インフルエンザのことは、韓国語で「トッカム」(
:毒感)
という。
さて、薬食同源すなわち「食べものこそが薬」という意識が広く浸透している韓国では、「食事をきちんととっていれば風邪をひかない」という意味のことわざがある。「風邪は食卓の片隅にやってくる」(カムギヌン パプサンモリエ ネリョアンヌンダ)だ。
ここでキーワードとなるのは「パプサンモリ」。「パプサン」は食卓を意味するが、それに「頭」を意味する「モリ」がつくと、「食卓の片隅」すなわち家族などが食卓についた状態をさす。このポジションに「風邪」がやってきて座り込むわけで、ご飯をきちんと食べている人は風邪にとりつかれることはないが、食べていない人はとりつかれることになる。
もうひとつ、「パプサンモリ」に関連して、最近韓国で流行っていることばに「パプサンモリ教育」というのがある。これは、食事を通しておこなわれる家庭での子女教育のことをいう。この中には、普段の食事づくりから食事作法、礼儀、会話の仕方などさまざまな側面が含まれ、それらが家族の愛情を通して子どもに伝えられるため、あらためてその大切さが教育界で見直されているのである。日本で「食育」が取り沙汰されているのと相通ずる世相といえよう。
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