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2010年は、韓国の「食」に関する ことわざ をご紹介いたします。
ことわざから、日本との文化の違いを見てとることができます。
まずここで「お盆」と訳したもとの韓国語「カウィンナル」 (
) について説明しましょう。
「カウィンナル」とは旧暦8月15日のことで、別名「チュソッ」 (
秋夕:
) あるいは「ハンガウィ」 (
) と呼ばれる日のことです。日本ではこの日を 「十五夜」 あるいは 「仲秋 (ちゅうしゅう)」
と呼んでお月見をする風習があり、今年(2010年)の場合、新暦9月22日にあたります。
この旧暦8月15日は、韓国では旧正月と並ぶ二大節句にあたり、その前後を含めた3日間が公休日となっています。つまり「チュソッ」とは、日本でいう「盆暮れ」の「盆」のような位置づけであり、秋の収穫を終えた感謝の気持ちをこめて先祖の供養を大々的に行う日なのです。
そのため、韓国では全国民の75%ともいわれる人々が正装して故郷へ大移動し、本家に集まります。本家では、その年に収穫した米や果物のほか、さまざまなご馳走を作って祭壇に供え、家長から順々に礼を奉じて祭祀をとり行います。こうして祭祀が終わると、あとは皆でご馳走を食べお酒を飲み交わし、にぎやかな宴会。宴会では、陽気で歌や踊りが大好きな韓国人の民族性そのままに、一般的な日本の法事からは想像できないような盛り上がり方をすることがよくあります。
さて、前置きが長くなりましたが、そんな韓国のチュソッ風景を想像していただいたところで、本題の「いつもチュソッのようであれ」と願う心は何でしょうか?
正解は、「一年を通して十分な食べものと着るもの、あたたかな家族に囲まれて幸せに暮らしたい」です!
この慣用句は、朝鮮王朝時代後期にあたる1819年に著された
『洌陽歳時記 ( ヨルヤンセシギ) 』に出てくる句に由来するもので、庶民のささやかな願いを代弁する響きがあります。
現在では、前半の「それ以上でも以下でもなく」(
:トド マルゴ トルド マルゴ ) の後に、さまざまな語句を続けて言うことがあります。
最後に一筆加えさせていただくと、日本でいう「お盆」とは、実際には地域によって新暦8月15日、または旧暦7月15日(2010年の場合新暦8月24日)、あるいは新暦7月15日をさすため、旧暦8月15日である「チュソッ」が、日付の上で「お盆」にあたるわけではありません。
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