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2010年は、韓国の「食」に関する ことわざ をご紹介いたします。
ことわざから、日本との文化の違いを見てとることができます。
韓国料理になくてはならない薬味香辛料のひとつ、唐辛子。唐辛子は韓国の人々にとって非常に身近な存在であり、唐辛子への愛着やこだわりも日本人の想像を超えるものがあります。
そんな唐辛子にまつわる韓国のことわざはいくつもありますが、
その筆頭が「小さい唐辛子が辛い」です。あるいは、「唐辛子は小さくても辛い」
(
:コチュヌン チャガド メプタ)ということもあります。
意味は日本のことわざ「山椒は小粒でぴりりと辛い」
と同じで、外見は小さくても才気あふれる優れた人や、
性能のよいものを例えていいます。
さて、ここで興味深いのは、このことわざからも感じとれる、唐辛子やその「辛さ」に対する良いイメージです。一般的な韓国人の唐辛子に対する思い入れは前述のとおりですが、「辛さ」という味に対しても同様で、一般に味覚全体の中で「辛さ」の占める存在が大きいのが特徴です。
たとえば、日本語の「からい」という言葉には、「塩からい」
と「ピリ辛い」の意味が無分別に含まれていますが、韓国語ではそれを別々のことばで言い表します。
「塩からい」は「チャダ」(
)、「ピリ辛い」は「メプタ」(
)です。
そして、日本語で「からい」というとマイナスのイメージがあるのに対して、
韓国語の「メプタ」には良いイメージがあります。さらに「チャダ」や「メプタ」の反対語にあたる「シンゴプタ」
(
:味が薄い)には、日本語の「薄味だ」「あっさりしている」などとはちがう否定的なイメージがあり、
「味がぼやけていて物足りない」という意味合いになります。
こんなことがわかると、表題の「小さい唐辛子が辛い」は、とても響きのよいことわざであることが理解できるのではないでしょうか。
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