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2010年は、韓国の「食」に関する ことわざ をご紹介いたします。
ことわざから、日本との文化の違いを見てとることができます。
韓国では、公的には新暦が使われていますが、民間では節句や年中行事、誕生日などを旧暦でおこなうことも多く、旧盆・旧正月が祝日となっているほか、文化の端々に旧暦が息づいています。
今月のことわざ「五〜六月の犬の運」の「五〜六月」 (オニュウォル) というのも旧暦五〜六月のことで、新暦では七〜八月すなわち真夏を意味します。
さて、では「五〜六月の犬の運」とはどんな運なのでしょう? 正解は「気楽で心配ごともない凡人の幸せな運」です。地位も身分もないが寒さや飢えに困ることもなく、それ以上のことを望まなければ平凡気楽に暮らしていける、そんな運命のことです。これを「幸運」ととるか、「つまらぬ運」ととるかは自分次第。
ところで、この「オニュウォル」 (五〜六月) という言葉は、いろいろな慣用句に登場します。
・「五〜六月の糞バエ」
(
:オニュウォル トンパリ )
食べものや自分の興味のあることなら、遠くからでも目ざとくかぎつけてとんで来る人や、まとわりついてうるさく振舞う人のこと。
・「五〜六月の風邪は犬でもひかない」
(
:オニュウォレ カムギヌン ケド アンゴルリンダ )
真夏に風邪をひいた人を嘲笑っていう言葉。
・「他人の仕事は五〜六月でも手がかじかむ」
(
: ナメ イルン オニュウォレド ソニ シルリンダ)
他人のことは、大変な仕事でなくても気が進まず、骨が折れるように感じる。
先月同様ここでも、想像力あふれる比喩や唐突な発想、辛辣な表現が、異文化を感じさせてくれます。
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