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2010年は、韓国の「食」に関する ことわざ をご紹介いたします。
ことわざから、日本との文化の違いを見てとることができます。
味噌作りの季節です。
日本では一年中でもっとも寒い
1月末〜2月が味噌作りの適期とされますが、
韓国でもほぼ同じ時期、旧暦1月15日
(2010年の場合、新暦2月28日)前後が
「チャン タムグギ」
(
:醤作り)の季節といわれます。
醤(チャン)
とはカンジャン(
:醤油)、テンジャン
(
:味噌)、コチュジャン、 (
:とうがらし味噌)、
チョングッチャン(
:清麹醤)
など大豆を発酵させた調味料類の総称です。
朝鮮半島では古くから醤を自家醸造してきて、
現代でも伝統的な
旧家やこだわりのある料理人は自家製の醤を使っています。
さて、表題のことわざ「クドギ ムソウォソ チャン モッタムグルカ」は「ウジが怖いからといって、しなければならない味噌作りをやめることができるだろうか」という意味で、そこから「たとえ難題があっても、やりたい気持ちを抑えることはできない」あるいは「すべきことを貫くためには、障害に怖気づいてはいられない」という意味で使われます。
これは、難題に直面してのるかそるかの決断を迫られたとき、Goを出すのにしばしば使われることわざです。おもしろいのは、
同じような場面でStopを出すときにも、それを後ろ楯するようなことわざが引用されることです。
「南京虫を殺そうとして藁葺(わらぶ)き屋三間みな燃やす」
(
:ピンデ チャブリョダ チョガサムガン タ テウンダ)がそれで、
「目障りな小事にかかずらわっている間に、思わぬ損失を招く」さらには
「一時の感情にとらわれることなく、大局的な視点で決断を下さなければならない」という意味です。
双方に共通するのは、「抑えきれない激しい感情」と「冷静な理性」の対峙です。「どんな結果を招くとも感情に従って行動すれば気持ちがすっきりする」という一面と、「気持ちは釈然としないけれども結果的にうまくいく」という一面。双方の正当性を主張するこれらのことわざは、感情豊かな(=激しい)コリアンの民族性を象徴するものではないでしょうか。
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