キーワードで見る食文化
食にまつわる「ことわざ」
2010年は、韓国の「食」に関する ことわざ をご紹介いたします。
ことわざから、日本との文化の違いを見てとることができます。
2月のことわざ 寝ころんで餅を食う
スペーサー
 「ヌウォソ トッ モッキ」 は、日本語で「お茶の子さいさい」というように、とてもたやすいことの例えです。日常的によく使われることわざで、同じ意味で「冷めた粥を食う」 (:シグン チュッ モッキ) という言い方もあります。
 冒頭の「ヌウォソ」 () は、「寝ころぶ」「横になる」という意味の動詞 「ヌプタ」 (の活用形で、この他にこの動詞を使ったことわざに、「寝ころんで唾を吐く」(:ヌウォソ チム ベッキ)というのもあります。「人に害を与えようとして返って自分が害を被る」という意味です。
  一方、餅が出てくることわざは韓国に多く、ほかに次のようなものがあります。

<餅をくれる奴のことは考えもせず、キムチの汁から先に飲む>
 (:トッ チュル ノムン センガット アンヌンデ キムチクップット マシンダ)。あるいは、後半の「キムチクップット マシンダ」だけを言うこともあります。これは、相手は餅をくれる気などないのに、自分一人でくれると早とちりして、まずキムチの汁を飲んで喉を潤しておく、という意味です。
韓国では、餅を食べるときに水キムチが一緒に出され、水キムチの汁をまず匙一杯すくって喉を潤しながら餅を食べます。そんな背景がわかってこそ、このことわざの面白さが理解できましょう。

<餅を見たついでに法事をする>
 (:トッ ポンギメ チェサ チネンダ) 運よく何かが起こったついでに、他の用事も済ませてしまうという意味です。韓国では「祭祀」(チェサ) といって、主だった年中行事や祖先の命日に、先祖供養の法事を行いますが、餅はその時のお供えに欠かせないものです。



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