|
韓国の食文化について、伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ読み解いていきます。
|
|
冬至の小豆粥。朝鮮半島では古くから、陰暦11月、冬至の節食 (チョルシッ、行事食) として小豆粥を食べる風習があります。 |
|
|
そもそも北半球における冬至とは、太陽の高さが一年中で最も低く、南寄りになり、日照時間が短くなる (昼が短く夜が長くなる) 日。日照時間が短いということは、太陽の恵みが少なく、太陽から生命エネルギーをもらっている万物にとって、生命力の弱まる不安な時期にあたります。食べものも乏しくなります。季節感の薄れた現代人にはあまりピンとこない部分もありますが、このような意味をもつ冬至を、古くから人々は一年の重要な節目と考え、暦を算出する上で基本の日としてきました。 |
|
|
朝鮮半島でもかつて、冬至の日に太陽が生まれ変わると人々は考え、太陽神の祝祭を行ったといいます。今でも、「冬至」の別名に「亜歳(アセ)」という韓国語がありますが、これは「次の年になる日」という意味で、「冬至を越して年があらたまる」 という考え方を象徴しています。
|
|
こういった意味のある冬至に、なぜ小豆粥を食べるようになったのか、その由来にはいくつかの説があります。最も有力なのが、小豆の赤い色が邪気を祓うという説。赤を霊力の象徴とする考え方は世界的にありますが、朝鮮半島では冬至の日に、小豆粥を煮て門柱にまき不吉を祓ったり、年の数だけ白玉団子を入れた小豆粥を食べて運気を養ったりしました。現在でも、新年にトックッ(餅スープ)を食べるように、冬至に小豆粥を食べてこそ無事にひとつ年を重ねられる、という考え方は生きているようです。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
2006年から掲載しているキーワードバックナンバー一覧が見れます。 |
|
|
|
|
|
|
|