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韓国の食文化について、キーワードから読み解いていきます。
食文化の伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ紹介。
韓国料理の奥深さ、味の文化をお伝えします。
アミ、いか、カタクチイワシ、太刀魚、イシモチ、たらこ、牡蠣… 韓国には実にさまざまな塩辛があります。塩辛とは、魚介類を塩に漬けて発酵させた保存食。韓国では塩辛をそのまま、あるいは薬味調味料で味つけして酒の肴やご飯のおかずとして食べるほかに、キムチや鍋もの、スープなどを味つけする調味料として、幅広く使われています。
中でもアミの塩辛は、あっさりとした淡白な味が特徴で、ソウルや京畿道地方を中心にさまざまな用途で使われる、もっともポピュラーな塩辛といえます。
アミの塩辛は、アミを塩漬けした後、15〜20℃で2〜3か月熟成させて作りますが、いつ漬けたか(アミの収穫時期)により、次のような種類があります。
・オジョッ
(
) :
陰暦五月に漬けたもの。
・ユッチョッ
(
) :
陰暦六月の産卵直前のアミで漬けたもの。身が丸々とし、薄ピンク色を帯びた、一級品。
・チュジョッ
(
) :
秋に漬けたもの。
・トンベクハジョッ
(
) :
冬に漬けたもの。
アミの塩辛を料理に入れることにより、うま味がぐっと増し、塩味をととのえることができます。韓国料理での塩辛の使い方には、次のようなものがあります。
1.キムチに入れる
キムチヤンニョムすなわちキムチの薬味調味料を混ぜ合わせるときに、アミの塩辛を加える。アミ以外にいか、いしもち、太刀魚の塩辛などを加えることもある。キムチが発酵・熟成するにしたがい、塩辛のたんぱく質が分解されてアミノ酸が生じ、キムチ全体にうま味が出る。
2.塩味のチゲに入れる
チゲの味つけにアミの塩辛を入れる
。特にチョックッチゲ(
:塩辛汁のチゲ)
といって、豆腐や葱、あさりなどを塩味で
あっさりと仕立てるチゲの場合、
アミの塩辛が調味の決め手となる。
3.アミの塩辛だれ(
: セウジョッヤンニョムジャン) を作る
アミの塩辛にみじん葱・とうがらし・にんにく、すりごまなどを混ぜたたれ。ゆで豚や豚足、豚耳など、豚肉料理によく合う。
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