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韓国の食文化について、キーワードから読み解いていきます。
食文化の伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ紹介。
韓国料理の奥深さ、味の文化をお伝えします。
チャンアチ(
) とは、野菜などをしょうゆ、みそ、コチュジャン(とうがらし味噌)、あるいはそれらに酢や砂糖などの調味料も混ぜ合わせて漬け込んだ、漬物のたぐいをさします。
チャンアチは朝鮮半島の食文化において、キムチや塩辛と同様、独特な保存食のひとつです。その背景には、中国から伝わり朝鮮半島で独特な発展をみせた「醤(チャン)」、すなわちしょうゆ、味噌、コチュジャンなど大豆発酵調味料の食文化があるといえます。
チャンアチは、野菜を漬けたものが一般的ですが、珍しいものでは豆腐や肉、魚介類を漬けたものもあります。
代表的なチャンアチには、次のようなものがあります。
<にんにくのチャンアチ>
(マヌルチャンアチ)。夏至以前に収穫した新にんにくの場合、硬い外皮だけむいて丸ごと漬け、それ以外のにんにくは皮を全部むいてバラ漬けにします。
どちらの場合も、まず酢漬けにしてから、しょうゆ+砂糖に漬けたり、塩+砂糖+水に漬けるのが一般的です。漬けてしばらくは、2〜3日おきに漬け汁をとり出して煮立て、冷ましてからにんにくに注ぐ、という作業を繰り返すと、長期保存することができます。生のとうがらしや生姜を加えることもあります。
<きゅうりのチャンアチ>
(オイチャンアチ)。きゅうりを塩漬けした後、しょうゆ+酢+砂糖に漬けたり、味噌やコチュジャン、あるいはそれらとしょうゆを混ぜたものに漬けたりします。きゅうりを先に軽く茹でて漬ける方法や、塩漬け後に天日で干してから漬ける方法もあります。
<なすのチャンアチ>
(カジチャンアチ)。なすの中ほどに切り込みを入れて色よく茹でた後、切り込みに葱やにんにくなどの薬味をはさみこみ、しょうゆ+砂糖+酢に漬けます。あるいは、先に塩漬けして水気をとった後、コチュジャンに漬ける方法もあります。
<青とうがらしのチャンアチ>
(コチュチャンアチ)。青とうがらしを1週間ほど塩水に漬けた後、砂糖、にんにく、葱、粉とうがらしなどを加えた薬味じょうゆに漬けます。
<えごまの葉のチャンアチ>
(ケンニプチャンアチ)。えごまの葉を薬味じょうゆに漬けたり、味噌やコチュジャンと薬味を混ぜ合わせたものに漬けます。えごまの葉を薄い塩水に漬けてから漬け込む方法もあります。
<するめのチャンアチ>
(マルンオジンオチャンアチ)。韓国では、干したするめいか(皮つき丸ごとのもの)が多く出回っているので、それを細く切るか手で裂き、味噌やしょうゆ、コチュジャン、薬味を混ぜ合わせたもので和えて漬けこみます。いかが固かったり塩辛い場合は、酒や酢を加えた湯でさっと下茹でしてから漬ける方法もあります。
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