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韓国の食文化について、キーワードから読み解いていきます。
食文化の伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ紹介。
韓国料理の奥深さ、味の文化をお伝えします。
原産地は中南米。発祥は紀元前5000年とも7000年ともいわれますが、アメリカ大陸以外の地に伝わったのは比較的新しく、比較的古いヨーロッパでも15世紀末のコロンブス伝来時のようです。朝鮮半島への伝来には諸説ありますが、16世紀半ばにポルトガル人経由で日本に伝来したものが、16世紀末〜17世紀初め、文禄・慶長の役(朝鮮半島では「壬辰倭乱[イムジンウェラン]」と呼ぶ)のころ、朝鮮半島に伝わったという説が有力です。
とうがらしを「倭芥子[ウェゲジャ]」(倭とは日本の意味)と称していたことが、当時の文献『芝峰類説[チボンユソル]』(1613年)に記されています。現在では韓国料理を代表する薬味香辛料となっているとうがらしですが、意外にも伝来時期は新しかったわけです。
そのとうがらしが、朝鮮半島でここまで多食されるようになった背景には、長い肉食文化の伝統や、漬物いわゆる「キムチ」にもともと山椒、生姜、蓼などの香辛料が使われており、それに代わる香辛料としてとうがらしが適材であったこと、などが考えられます。
じっさいキムチは、とうがらしの伝来よりもはるか古くから、塩漬け野菜という形で存在しましたが、18世紀初めごろからキムチにとうがらしが使われるようになると、その殺菌作用をいかして魚介の塩辛類も加えられ、キムチが一躍発展しました。
とうがらしの品種は辛味系〜甘味系まで多種類にわたりますが、韓国でもさまざまな品種が栽培され、辛味や香りなど各品種の特徴に合わせて生食用、乾燥用などの用途に使われます。
生の青とうがらし(
:プッコチュ)は
独特の香りを生かして
スープやチゲに入れたり、そのまま味噌をつけて食べたり、
味噌漬け・しょうゆ漬けにもします。
生の赤とうがらし(
:ホンゴチュ)は、
スープや煮物に入れて料理に辛味と香りを出したり、
刻んでたれに入れたりします。
一方、赤とうがらしを乾燥させて挽いた
[コチュカル]には、粉挽きとうがらし(
:コウンコチュカル)、粗挽きとうがらし(
:クルグンコチュカル)、その中間のものなどがあり、料理に合わせて単独またはブレンドして使います。
また、辛味のないとうがらしを乾燥後せん切りにした糸とうがらし(
:シルゴチュ)は、料理のあしらいに使われます。
一方、最近は機能性食品としても、とうがらしの価値が注目されています。豊富なビタミンA、Cに加えて、辛味成分カプサイシンのもつ脂肪燃焼作用、血液循環促進作用、老化防止作用、コレステロール抑制作用、美肌作用など、成人病予防や美容の面で脚光を浴びています。
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