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韓国の食文化について、キーワードから読み解いていきます。
食文化の伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ紹介。
韓国料理の奥深さ、味の文化をお伝えします。
ごま(真ごま)は韓国語で
(ケ)または
(チャムケ)といい、韓国料理にとてもよく使われる食材のひとつです。韓国では、真ごまのほかに荏ごま (
:トゥルケ)もよく食べられますが、これはごまの仲間ではなくシソ科の植物で、成分もかなり異なります。
ごまは大きく白ごま(
:ヒンケ)
と黒ごま(
:コムンケ)に分けられます。
白ごまは脂肪含有量が多いため(約55%)、
そのまま食べる以外に絞って
ごま油にされることが多いのに対し、
黒ごまは独特の風味と滋養があり、そのまま食べることがほとんどです。
また、ごまは栄養的にとても優れた食品で、古くから「不老長寿の薬」と言われてきました。
白ごま・黒ごまとも、脂質が成分の半分以上を占めますが、そのほとんどが、血中コレステロールを下げるリノール酸、オレイン酸などの不飽和脂肪酸です。これらの不飽和脂肪酸は高温でも酸化しにくいため、炒めものや揚げものなどの高温調理にも、ごま油は適しているといえます。そのほか、タンパク質、鉄分、カルシウムや、体内の酸化を防いで動脈硬化や老化を予防するセサミンやビタミンE、糖質の代謝を促すナイアシンなどのさまざまな有効成分が多く含まれます。
アフリカ原産のごまが、シルクロードを経て朝鮮半島に到来したのは古く稲作伝来期と推定されますが、その後、仏教の普及とともに朝鮮半島で肉食が制限されると、その栄養バランスを補うごまやごま油が重宝され、多く使われるようになったようです。
現在、韓国では白ごまを炒って塩を加え軽くすった
(ケソグム)を料理に使うことが多いですが、
これは日本の「すりごま」ほどはすりつぶさず、またいわゆる
「ごま塩」ともちがうものです。一方、黒ごまは粒のままか、
すりつぶして韓菓
(ハングァ・韓国の伝統菓子)や寺刹飲食
(サチャルウムシッ・精進料理)に多く使われます。
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